教科書会社の東京書籍が、自社ウェブサイト上の「江戸しぐさ」の解説ページで、ジョークサイト「アンサイクロペディア」を参考資料として紹介していたことが分かった。東京書籍の広報担当者が2017年4月12日のJ-CASTニュースの取材に認めた。
紹介されたジョークサイトのページには、「江戸しぐさの元となるマナーを広めたのは、豊臣秀吉が連れてきた韓国人だった」などの記述がある。東京書籍側は取材に対し、紹介している外部サイトの内容を再確認するため、このサービスを一時的に閉鎖したと明かした。
江戸しぐさの名付け親は「藤子不二雄A」?
ジョークサイトのページをリンク付きで紹介していたのは、東京書籍の教育資料データベース「東書Eネット」。これは同社の教科書を使う教員向けのサイトで、児童への指導案や関連資料などを紹介している。
東京書籍による現行の小学6年生の道徳教科書(2015年改訂版)では、単元の一つとして「江戸しぐさ」を扱っている。そのため、東書Eネット上にも関連する資料などをまとめた解説ページが14年8月に設けられていた。
このページ上の「関連する外部のリンク」という項目では、アンサイクロペディアの江戸しぐさに関するページが、
「江戸仕草の概要、伝来、起源などが述べられている」
という説明付きで紹介されていた。
だが、アンサイクロペディアは、百科事典サイトの「ウィキペディア」をまねた有名なジョークサイトだ。嘘やジョークばかりを扱うことで知られており、サイトのトップページには「嘘八百」からとった「八百科辞典」の文字が躍っている。
実際、今回の「江戸しぐさ」のページを見ても、
「江戸しぐさの元となるマナーを広めたのは、豊臣秀吉が連れてきた韓国人だった」
「『イギリスでは江戸しぐさが普及している』という説がある」
「江戸しぐさには様々な種類があるが、名付け親は藤子不二雄Aか、或いは相撲関係者である可能性が高い」
といった根拠不明の記述が大部分を占める。なかには、日本における優れた文化は全て韓国起源のものだ、という趣旨の文章もあった。