虫や野生動物への接触も注意を
感染症対策と併せて意識しておきたいのが虫への対策だ。デング熱やジカ熱は有効なワクチンが確立されておらず、ウイルスを媒介する蚊に刺されないことが重要になる。
また、中国で人への感染が続いている鳥インフルエンザは家禽(家畜の鳥類)への直接的な接触が原因とわかっており、ニワトリやアヒルなどへの接触を避けたい。厚労省のウェブサイト「ゴールデンウィークにおける海外での感染症予防について」によると、東南アジアや台湾では数年前から狂犬病の発生が報告されるようになっており、野生動物全般への注意が必要だとしている。
病気を媒介するわけではないが、ここ数年一般家庭や学校、幼稚園、保育園などからの報告数が増えている「アタマジラミ」も海外で寄生されている例が多いようだ。東京都保健福祉局が毎年発表する「東京都におけるねずみ・衛生害虫等相談状況調査結果」ではゴールデンウィーク以降に報告が多くなる。
渡航前に取れる予防策はなるべく取り、帰国後は自分の体調変化に注意する。健康で帰ってくるまでが海外旅行だ。