女子トイレは器具数が少なくなりがち
「まず、女性はトイレの滞在時間が男性に比べて長くなります。たとえば小用の場合、男性は小便器でチャックの上げ下げをする程度で用を足すことができますが、女性の場合は手順が多くあります」(担当者)
女性の場合は最初に衣類の着脱があり、用足し後にはトイレットペーパーを使用する。場合によって生理処理も必要だ。また個室であるために、荷物の置き場所に手こずることもある。ただ単に小用を済ますだけと思いがちだが、滞在時間の差は意外にもあるようだ。
さらに担当者は、器具数の差についても指摘する。
「女性は全個室化が必須ですが、個室は男性の小便器に比べて面積をとります。するとトイレが男女同じ広さで割り当てられた場合、女性トイレに設置される器具数はおのずと少なくなります。そのようになりがちなトイレに男女同じだけの人数が集中した場合、器具数の差と滞在時間の差から女性トイレの回転率が下がり、結果的に行列ができやすくなってしまうのです」
要するに「利用実態と器具数のアンバランス」が原因ということだ。逆に男性トイレでは個室が少ないことが多いといい、実際、個室利用のための行列ができることがままあるという。
その上で担当者は
「器具数にゆとりをもって設置することが一番の解消策にはなりますが、器具数を多くすれば、施設の中でトイレが占める面積ばかりが大きくなりますし、清掃作業などのメンテナンスも大変になるので、それぞれの施設の事情や考え方が色々とあるのだと思います」
と実情を説明した。