昨季日本シリーズを制した日本ハムが前代未聞の窮地に陥った。二刀流・大谷翔平のけがに続き、主砲・中田翔と昨季本塁打王のレアードが負傷。
ただでさえ直近4戦4得点と貧打にあえぎ5連敗。飛車角抜きで戦うような事態に、昨季のような11.5ゲーム差を逆転する力はどこにも見当たらない。
中田翔、9試合でわずか1打点
中田は2017年4月9日のオリックス戦、右足付け根付近に痛みを感じて5回ウラの守備で交代。レアードも5回の打席で左上腕部に死球を受け、そのウラの守備でベンチに退いた。
中田はこの試合の打席遊ゴロ、二飛と振るわず打率.200。昨季は打点王となる110打点を記録したが、今季は9試合を終えて1打点、本塁打0にとどまる。試合後、中田はスポーツ紙記者などに「初めてフルスイングするのが怖くなった。ひねるときに痛む」と話した。10日に精密検査を受けるが11日の出場は不透明だ。
レアードも昨季39本塁打を放ったものの、今季はまだ0。打率は.071で、二塁打すら打っていない。
大谷は8日のオリックス戦で走塁中に左足を痛め、左大腿二頭筋肉離れと診断された。球団は同日の発表で、打者としてのゲーム復帰までは「4週間程度を要す見込み」としており、投手復帰はさらに遅れる可能性が高い。9日には1軍登録を抹消され、さらに10日にはインフルエンザB型の診断を受けた。大谷は不振の日ハム打線のなかで、.407と好調だっただけに欠場は大きい。
打率.200以下が7人
主軸の相次ぐ不調に加え、チームは5~9日の試合で5連敗。このうち5日のロッテ戦は6点取ったものの、以降は1、2、1、0点と振るわない。打線は先発9人のうち打率.200以下の選手が7人となるなど、チーム全体が貧打に陥っている。
日本ハムは9日終了時点でパ・リーグ最下位、23得点・42失点はセパ両リーグ通じて最下位だ。
野球解説者の里崎智也氏は4月8日のニッポン放送「ナイタースペシャル まいにちとことんプロ野球」で、日本ハムの不振の原因について「WBC日本代表の中田翔、メキシコ代表のレアード、この2人のバットがかなり湿っている」と指摘。その上で、「逆にこの2人が打ち出すと手が付けられないファイターズ打線になる」との見解を示していた。だが、中田、レアードへの期待もできず、チームは絶望的な事態になっている。