今楽しむべき時事ネタ
――そういう思いに至ったのは、新聞記事に対するネットユーザーの反応を見たからでしょうか。
鹿島 それもありますね。ツイッターを始めて7~8年ほど経ちますが、ツイッターの「世論」とリアルの世論は絶対違います。 ちょうど石原(慎太郎)都知事の時代。石原さんが都知事選に出たとき、SNSは石原批判で盛り上がった一方、ふたを開けてみると開票1分で「当確」が出ました。 そのとき、「これは何だろう」と思ったんです。ツイッターでは情報に敏感な人の意見を聞けます。でも、「うかつなオジサン」の声も聞いた方がバランスを取れるな、と感じました。 自分の見たいもの、知りたいものしか受け入れないのは、自分に自信があるからです。僕は自信のないタイプなので、色々な人に意見を聞こう、色々な新聞を読もう、という気になります。もしかしたら(自分は)間違っているかもしれない。その感覚を忘れない方がいいです。
――そんな鹿島さんがオススメする、「今ウォッチするべき時事ネタ」はありますか。
鹿島 「加計学園」(編集部注:岡山市の学校法人)のネタでしょうか。現状、まさに1~2か月前の森友学園ネタに近い。東京新聞は今、「こちら特報部」のコーナーでいち早く報じていますが、まだ各紙で報じ方にばらつきがあります。今楽しむにはもってこいでしょう。 加計学園のネタを「報じないことに憤る」のではなく、「他社が報じるタイミングはいつか」を見ておきましょう。
プチ鹿島氏 プロフィール
1970年長野県生まれ。大阪芸術大放送学科を卒業後、大川興業に所属 。お笑いコンビ「俺のバカ」での活動を経て、フリーとなる。2012年からオフィス北野所属。スポーツからカルチャー、政治まで幅広いジャンルの時事ネタを得意とする「時事芸人」としてラジオ、雑誌を中心に活躍している。 著書に『教養としてのプロレス』『東京ポッド許可局』(共著) がある。