人気ロックバンド「ONE OK ROCK(ワンオクロック)」の千葉市内でのライブ中に、体調不良を訴えて21人が病院に搬送された。救護を行った千葉市美浜消防署の担当者はJ-CASTニュースの取材に「ライブで21人搬送は数として多いです」と話し、異例の出来事と言えなくもない。
一方、ライブ後に同バンドのボーカル・Taka(28)は「いつものことだからあんまりビックリはしてない」などとインスタグラムに投稿した。一部のユーザーからは「楽しかったら病人がでてもいいのかな?」と疑問の声も出ている。
骨折、打撲、過呼吸、熱中症も
ワンオクロックは2017年4月8日18時、幕張メッセ(千葉市美浜区)で約1万8000人を動員してライブを実施し、その途中で119番通報があった。
千葉市美浜消防署が9日、J-CASTニュースの取材に応じ、搬送者は女性20人、男性1人の計21人だった。骨折や打撲、過呼吸や熱中症などの体調不良を起こし、うち5人は入院が必要と判断された。搬送時点では、いずれも重症ではなかったという。
幕張メッセは有名アーティストのライブ会場としてしばしば使用されるが、119番通報されて客が病院に搬送される頻度は高いのか。美浜消防署の担当者は「夏場はたまに1人か2人ほどが119番の上で搬送されることはあります。1度に21人というのは、数としては多いです」と話していた。
通報は19時39分、主催者側の関係者から入った。入電時は「負傷者が3人いる」との説明だったが、その後気分を悪くした客が増えていき、会場に用意された救護スペースに収まり切らなかったという。また、消防署員の到着時点でライブは続行されていた。
ライブを主催したアミューズ(東京都渋谷区)とソーゴー東京(東京都港区)は共同で報道各社にファクスを送り、通報前後の状況を説明した。
「コンサート中盤に差し掛かった19時頃に、メンバーに近づこうとしたお客様が前に詰め寄った際に転倒し、その際に怪我をされた3名を救護室に連れて行き、救急車を要請しました」
さらに「その3名とは別に、コンサート中に気分を悪くした方や、熱中症のような症状の方が50名ほどいらっしゃり、救護室で看護師の手当をうけ、休憩していただきました」と、なんらかの不調を訴えた人が50人ほどいたとしている。
Taka「明日はさらにぶっ飛ばしていきます!」
ロックバンドのライブは、ステージに近いほど客同士の圧力と熱気が大きくなりやすい。特に夏場に開催される野外フェスでは主催者から、けがや熱中症への注意喚起がよくなされる。ワンオクロックのボーカル・Takaはそうしたライブ会場の環境に慣れているからか、ライブ後の9日未明、インスタグラムに次のように投稿した。
「いつものことだからあんまりビックリはしてないんだけど!今日は外がなんだかザワザワしてたから、運ばれちゃった人達が本当に無事であることを願うとともに、、、明日はさらにぶっ飛ばしていきます! だから覚悟してね!」
「明日は」とあるように、ワンオクロックは9日も同じ幕張メッセでライブを予定しており、Takaはこう続けている。
「こういうことが起きる時はファンもメンバーもスタッフも誰も悪くない!だから、、、今日の空間にいた人達しかわからないことだから、また今日を引きづって明日が変にネガティヴな雰囲気で始まるのは嫌だから、一人一人が今日楽しんだ気持ちを噛み締めたまま、また次会えるのを期待してるよ!」
アミューズとソーゴー東京の前出のファクスでも「今後は安全対策をより一層強化して会場運営を行ってまいります。明日(9日)のライブに関しましては、本日(8日)の状況をふまえ、十分な安全対策を行ったうえで開催させていただきます」と予定通りの実施を発表している。
「楽しかったら病人がでてもいいのかな?」
Takaの投稿に対しては3000件ほどのコメントが寄せられており、その多くはファンからの応援メッセージだった。
「大変だったんですね 色々なことがあっても、今日はまた精一杯のLIVEを」
「ライブ慣れしてない人達が多かっただけだと思うからtakaも他のメンバーやスタッフの皆さんも気にし過ぎないで下さい」
「最低限の水分は取らないとね。周りにもメンバーにもスタッフにも迷惑かかってしまうから。ワンオクのライブがこーゆーものだと覚悟して体調管理しないと」
ただ、中には疑問を投げかけるものもあった。
「誰も悪くないと言えるのか...とは思ってしまいます」
「楽しかったら病人がでてもいいのかな?熱中症も死に至ることはあるのに」
「もう少し安全に配慮してはいかがでしょうか」