右足の負傷が完治せず打者に専念している二刀流、北海道日本ハムの大谷翔平投手(22)がこんどは左足を負傷、打者としても出場できなくなった。
野球解説者の張本勲氏と中畑清氏は、9日朝の情報番組で日本ハム・栗山英樹監督の起用法を批判した。
怒りのあまりベンチを蹴る
大谷は2017年4月8日のオリックス戦(京セラドーム大阪)に3番指名打者で先発出場、1回表の第1打席でボテボテの3塁ゴロに倒れた。このとき右足首負傷を機に禁止されていた右足で1塁ベースを踏む。直後、苦悶の表情を浮かべて左足を引きずるようにベンチへ戻った。栗山監督は何か声を発した後、右足で思い切りベンチを蹴り上げた。
この模様に試合中継を見ていた視聴者から、心配するツイートが寄せられた。
「大谷さん、全力疾走で足痛めて負傷 栗山監督激怒でベンチを蹴る」
「大谷に関して栗山がベンチでブチギレてたけど正直これはバカじゃねえのとしか思えないわ」
「栗山監督『どうすんだ』と言ってベンチ蹴ってた」
直後、北海道日本ハムの公式ツイッターは「大谷選手ですが、1回の走塁時に左ハムストリングスに違和感を覚えたため、4回の打席で代打を送られました」と報告。MRIによる検査の結果、大谷は左大腿2頭筋の肉離れと診断された。公式ツイッターは8日、復帰予定について、
「ゲーム復帰まで4週間程度を要す見込みで、今後の予定は明日以降、決定いたします」
と報告した。
中畑清「監督として僕は間違ってると思う!」
「大谷、心配だねえ。これ、野球生命がダメになるかもわからんよ。練習不足で」
翌9日の情報番組「サンデーモーニング」(TBS系)で、野球解説者の張本勲氏はそう切り出した。この日にゲストで出演した野球解説者・中畑清氏も、
「栗山監督、いい監督なんですけどね。大谷の起用法にね、クエスチョンマークが付くんですよね」
司会の関口宏氏がその理由を問うと、
「WBCを欠場した後にね、何で完治させるために治療に専念させなかったのか。これから先、彼の野球人生は長いんです。そういう不安を抱えながらプレーすることによって、どういうデメリットがあるか、なぜ考えなかったのか。今は『全力疾走するな』と怒るわけじゃないですか。監督が。(監督は)1塁ベースを右足で踏めとか、左足で踏めとか(言うが)、どっちの足でも無意識のうちに踏むんですよ、選手は。全力プレーしたら」
関口氏が「だけど下手だね、1塁ベースの踏み方が」と大谷負傷の場面に触れると、中畑氏は真っ向から反論した。
「加減したらいけないんですよ。あのプレーでいいんですよ、本当は。それを『加減しろ』という言い方が、監督として僕は間違ってると思う!」
ずっと押し黙って聞いていた張本氏も、この批判には
「それはいけない。ファンに対して失礼だ」
と賛同した。
「(『加減しろ』と言う相手は)本人だけでいい。表向きにメッセージを送ったら、ファンに対して怠慢プレーを促しているのと同じことなんですよ。だから僕は『珍しく栗山くん、おかしいな』と思っているんですよ」
中畑氏はそう批判した後、栗山監督に「喝」をお見舞いして「彼の将来性を考えたら、治療に専念させるなり、何かして完治させてほしい」と述べていた。