ネットで新聞はこう読まれる(前編)
『芸人式新聞の読み方』プチ鹿島さんインタビュー 
紙の読者の持つ「前提」が通用しない

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ゴシップは人に話さず「寝かしておく」

――ネットニュースの構造面の問題もあるように感じます。SNSのタイムラインに記事が流れてきたら、スポーツ紙も朝日もネットメディアも読者には同じに見える。メディアの違いが分かりにくいように思いますが。

鹿島 そうですね。フェイクニュースや「ポスト真実」という言葉が話題です。いよいよフェイクニュースとの付き合い方を考える時期にきたのだと思います。
僕は、ゴシップをすぐ人に話すのでなく、「寝かしておきたい」性格です。ここで自分の心にスクラップしておくと、後になって、どの記事が今起きていることとつながるのか分かります。
ASKAさんの薬物使用報道はその典型でした。東スポが「イニシャル」「影絵」で報じた時点で大声で発信してしまえば拙速です。まだ確定してないわけですから。 文春で実名報道されて初めて、「あ、東スポが書いていたな」と答え合わせを堪能できます。
今はみんな、情報をすぐ発信したがる。手に入れた情報はひとまず心にスクラップし、自分でひそかに楽しんでおけばいいんです。フェイクニュースかもしれないと分かったうえで楽しむのもまた一興です。(後編に続く)

プチ鹿島氏 プロフィール

1970年長野県生まれ。大阪芸術大放送学科を卒業後、大川興業に所属 。お笑いコンビ「俺のバカ」での活動を経て、フリーとなる。2012年からオフィス北野所属。スポーツからカルチャー、政治まで幅広いジャンルの時事ネタを得意とする「時事芸人」としてラジオ、雑誌を中心に活躍している。
著書に『教養としてのプロレス』『東京ポッド許可局』(共著) がある。

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