将棋界に救世主が登場 14歳の天才児11連勝

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最終盤の詰めの読みは図抜けている

「藤井クンの出現は将棋界に新しい時代が来たということだ」

   棋界からは大歓迎の声が相次ぐ。その理由の一つに、つい最近まで騒いでいたスマホによるカンニング事件。三浦弘行棋士が疑われ、出場停止処分を受ける騒動になったのだが、結局「えん罪」で落着。連盟の幹部が役職を辞任するなど、イメージを大きく損ねる結果となった。

   将棋界というと、あの独特の雰囲気から真面目な世界と見られている。しかし、振り返ってみると、みっともない出来事はかなりある。

   対局では「遅刻で不戦敗」「二歩で反則負け」など。

   プライベートでは、大物棋士と女流棋士の不倫事件、大物棋士の週刊誌に掲載されたヌード写真など、人間っぽい出来事も少なくない。

   そんな世界にすい星のごとく現れたのが藤井四段というわけである。

「読みに手を何手か指された。それで戸惑った...」

   件の対局で敗れた小林裕士七段は振り返った。このコメントは羽生善治らが登場してきたときによく聞かれたものと似ている。

   他の棋士からも驚きの声が続く。

「読みが速く、そのスピードは他の棋士にないくらい速い」「とりわけ最終盤の詰めの読みは図抜けている」

   藤井クンは小さいときから将棋の勉強をしていたといい、詰め将棋の大会では現在3連覇。小中学生にブームを巻き起こすかもしれない。「考えるスポーツ」に魅力を感じる保護者は多くなるだろう。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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