「日本語の面白さを気軽に再発見できる遊び」
このパピプペポ川柳はそもそも、元『週刊プロレス』編集長でライターのターザン山本さんが考案したものだ。ターザンさんはJ-CASTニュースの取材に、こうした常識破りのスタイルの川柳を考えついた理由について、次のように語る。
「もともと俳句が好きだったんです。松尾芭蕉とか与謝蕪村とか。でも、いざ俳句の五・七・五を考えるとなかなか難しい。そう思って、前からツイッターで下の句をアイウエオとかカキクケコとか適当に変えた川柳を投稿していました」
そんなターザンさんの活動に目をつけたのが先述の宍戸さんだ。2人の雑談の中で「これ、色んな人に広めたらおもしろいんじゃない」という話が出て、そこからツイッター上でのコンテスト開催に至ったという。
パピプペポ川柳が持つ独特の魅力についてターザンさんは、芭蕉の句を引用する形で、
「『古池や蛙飛びこむ池の音』じゃ何か結論が出すぎていると思います。『古池や蛙飛びこむパピプペポ』にすれば、より想像力が膨らんで面白い気がしません?」
と実例を挙げて記者に逆質問。何と返していいか分からず返答に詰まる記者に対し、ターザンさんは続けて、
「パピプペポ川柳は自由に使える文字が少ないから、どうしても論理的な説明や結論は出せない。その『言い切れない』部分に、受け取る人の想像力が広がる余地があって面白いと思うんです。あと、詠み手も句の意味なんて二の次で、自由に詠むことができますから」
といかにも楽しげに魅力を力説。続けて、「おカタい芸術の世界に『パピプペポ』というおかしなフレーズを入れることで、俳句や川柳がより身近なものになるのでは、そんな狙いもあります」とも説明した。
なお、アイウエオやカキクケコではなく、下の句を「パピプペポ」にした理由について聞くと「半濁音の方がなんか軽い感じでいいかなと思って」。今後の展開については、
「とにかく、この面白い遊びを皆さんにも広めたい。パピプペポ川柳って、気持ちのいい言葉のリズムを考えたり韻を踏んでみたりと、日本語の面白さを気軽に再発見できる遊びだと思うんです。だから、もっと色々な人にこの魅力を知ってもらいたい、そう考えています」
と話していた。