シンガポールでもフェイクニュース対策「真剣に検討」
だが、この法案には、早くも反発の声が出ている。ドイツの雑誌業界の団体からは「私的な意見を取り締まる行為だ」だと主張。環境政党「緑の党」の議員は、テレビ番組で
「削除するばかりで、表現の自由を大幅に制限することになる」
と訴えた。SNSの運営会社は自主的な対応を強化することで規制の対象になることを避けたい考えだ。ブルームバーグやロイターによると、Facebookは「ドイツでは、どのコンテンツが違法なのかを裁判所ではなく私企業に決めさせることになってしまう」と反発。ドイツでは2900万人のFacebook利用者がいるとされる。
だが、ドイツ政府は業界の自主的な取り組みでは不十分だとの立場。マース法相は、Facebookは犯罪に関する書き込みを指摘されても39%しか迅速に削除せず、ツイッターに至っては1%だったと主張。法規制の必要性を強調している。
フェイクニュースを法的に抑えようとする動きはドイツ以外でも起きている。シンガポールの英字紙、ストレーツ・タイムスによると、シャンムガム法相4月3日、現行の電気通信法だけでは不十分だとして、フェイクニュースへの対策を「真剣に検討」していると述べた。現時点で詳細は不明だが、フェイクニュース対策に特化して立法措置が行われる可能性もある。