都市部への医師の集中問題などを検討する厚生労働省の検討会「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」は2017年4月6日、「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」の結果を発表した。
回答した医師のうち半数は地方勤務する意思があるとし、多くが地方医療機関で長期間勤務する意思があると回答している。
若い医師ほど勤務時間が長い
調査は医師を対象に行われた初めてとなる大規模なもので、1万2035の医療施設に在籍する1万5677人から回答を得た。内容は勤務実態やキャリア意識、他職種との連携を含めた働き方の考え、将来の勤務地に関する意向などとなっている。
調査によると、「東京都23区及び政令指定都市、県庁所在地等の都市部以外で勤務する意志はあるか」という質問に対しては、44%が「ある」と回答。20代の勤務医に限定すると60%が地方勤務の意思を示し勤務期間については2~4年を希望する一方、30代では52%が意思ありと回答し勤務期間は10年以上を希望する傾向にあった。
逆に地方勤務を希望しない理由としては「希望する内容の仕事ができない」や「労働環境への不安」が多く、年齢が上がると「子供の教育環境が整っていない」「家族の理解が得られない」といった理由も挙げられている。
医師の診療外も含めた勤務時間は年齢が上がるほど減少する傾向にあった。最も勤務時間の長い20代の勤務医(常勤)の勤務時間は週平均55時間程度で、これに当直やオンコールの待機時間約19時間が加わる。さらに診療科によって差が大きく、救急科や外科、臨床研修医は勤務時間が平均よりも長いという。