ネットメディアに明日はあるか(後編)
法政大・藤代裕之准教授に聞く 
ニュースサイトの自滅、新聞の不戦敗

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ネットメディアと既存メディアのレッドオーシャン

――メディアの個性、という意味で言うと、NHKなども含めてテレビなども当たり前のように「ネットの反応」を伝えるようになり、元々こうした路線に強かったJ-CASTを含むネットメディアとしてはやりにくい部分があります。我々のようなネットメディアは、どういう方向に向かうと思いますか。

藤代 J-CASTはネットの状況を世の中に伝えるという、重要な役割を果たして「いた」と思います。しかし、J-CASTが切り開いた「フロンティア」は今やスポーツ紙から全国紙、NHKまで、あらゆる既存メディアが参入する超絶レッドオーシャンです。ここでどうするかが勝負の分かれ目だと思っています。
思い切ったブランド変更も必要になってくるのかなと。J-CASTはある種、逆張りで成功したわけじゃないですか。今の逆張りは「ネットの反応とか書いているやつはバカ」「ネットの反応なんてもはや終わった」でしょうか(笑)。

――完全に自己否定ですね(笑)。

藤代 既存メディアですら資本の力を使って、24時間ツイッターを見て、データ分析をしています。ただ、既存メディアがJ-CAST化するのは、既存メディアの自滅でしょう。それをあざ笑うかのような、J-CASTの華麗な転身に期待したいですね。

――ラストワンマイルのところをどう挑むかも含めて、ということでしょうか。

藤代 新聞を出しちゃったりとか、雑誌で「週刊J-CAST」とかを出してみるとか(笑)。
いずれにせよネットメディアにとっては、記事の見せ方、届け方も含め、工夫のしどころがいよいよ出てきました。それはアプリだけじゃない。NewsPicksは書籍とイベントをパッケージにした取り組みをスタートさせています。今後、ラストワンマイルはニュースメディアにとって面白いところになると思います。
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