ネットメディアに明日はあるか(後編)
法政大・藤代裕之准教授に聞く 
ニュースサイトの自滅、新聞の不戦敗

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「フラット化」が問題の根源となっている

――先ほども言及されていましたが、あらゆるメディアが各プラットフォーム上で区別なく並び、読者からはどこのメディアかを意識されなくなる、「フラット化」が進んでいます。

藤代 「東スポ(東京スポーツ)的なポジション」も、フラットになったことによって作りにくくなっているわけです。「そうきたか!」という見出し芸を楽しむことが出来なくなる。メディアの個性に対する「共通理解」が欠落してしまっているので。

――東スポの記事もYahoo!ニュースに出てしまえば「Yahoo!の記事」として読まれ、「個性」を理解されず叩かれてしまうということですね。こうなると、メディアのブランディングも難しくなります。

藤代 もともとメディアは、ニュースの制作から流通までパッケージされていました。ところが今はどんどんプラットフォームの中に入って、届けてもらう状況が増えているじゃないですか。するとパッケージは崩壊し、フラット化の圧力が高まり、メディアの個性が埋没していくんです。雰囲気があったお店が、フランチャイズ加盟店して、本部に締め付けられて画一化するみたいな。
これでは面白くないですよね。プラットフォームが強すぎると読者もつまらないし、プラットフォームも最終的には「どれ見ても一緒」でつまらなくなるし、競争力が低下すると思います。プラットフォームによるニュース流通の参入は、「色々なニュースを知れる」といういい面があったはずですが、メディアの個性について共通認識が作れなくなってしまった。これは、フェイクニュース対策においても、メディアビジネスの面でも重要です。また、サスティナブル(持続可能)なメディアビジネスの面でも深刻な問題ですね。

――こうして見ると、フラット化に問題の根源がありそうですね。

藤代 「フラット化」が、フェイクニュース問題も生んでいるし、メディアの貧乏化も生んでいるし、メディアの個性やブランドの喪失も生んでいるということだと思います。
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