スプーン1杯はやりすぎ、米粒1つでほめてあげよう
発達障害の専門サイトを見ると、偏食の背景に食べ物に対する「感覚過敏」があることを指摘する内容が目につく。「NPO法人ぷるすあるは」が運営する「子ども情報ステーション」(2016年10月19日付)の「こんな子いませんか? 教室でわがままに見える子の感覚過敏」にこう書かれている(要約抜粋)。
「給食時間に牛乳など特定のにおいを嫌がったり、ぬるりした食感を嫌がったりする子はいませんか? 一見、わがままな子に思われますが、努力しても治すことができません。学校の中では、みんなと同じことが求められる場合が多く、大変生きにくい思いをしています。魚のにおいが苦手で、食べることも、スーパーの売り場に行くことも苦手なA君。給食当番でおかず係。今日のおかずはサンマの塩焼きです。食缶のそばに寄るだけで、吐き気がします。吐いてしまったら、みんなのおかずが台無しです。先生に助けを求めました。先生は、分かってくれ、今日は牛乳配りにしてくれました」
では、わが子の偏食が「感覚過敏」によるものだったら、どうしたらよいだろうか。同じく発達障害の専門サイト「うちの子『育てにくい子』?」の「偏食が激しい時の対処法」にはこう書かれている(要約抜粋)。
「発達障害の子の偏食をなくすにはお子さんの観察が大事! まずは子どもが何を嫌っているのか観察します。ちょっとした辛さでも痛いと感じ、とろみのついているものを気持ち悪いと思うことがあります。また、金属のスプーンが唇にふれる感覚を嫌がることもあります。金属の食器を嫌がる場合は、木の物に代えると食べることがあります」
「発達障害の子は、嫌な出来事が強く印象に残ります。『ちょっとでいいから食べてごらん』と言われ、無理やり口に入れられたことが原因となり、何十年たってもその時のことが思い出され、パニック状態になる人がいるほどです。その食べ物に興味を持ったら、ほんの少し食べるところから始めてください。食べたらほめてあげます。ほんの少しとはお米ならばひと粒程度を意味します。障害のある子に、スプーン1杯の量は多すぎます」