発達障害の子の「偏食」に理由があった! イチゴやコロッケを見ると「痛く」なる

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小学校で無理やり食べさせられ、高校生で糖尿病予備軍

   こうした子どもの特性を理解してあげないと、食べ物に対するトラウマがずっと残る心配がある。番組には高校2年生のA君が登場した。A君は現在もキノコや豆などの「滑らか」な食感の食べ物を受け付けない。ゴムやプラスチックを食べた気がして吐いてしまう。保育園や小学校では、給食を食べ終わるまで1人だけ教室に残され、よく泣いた。人前で食べることが怖くなり、外食ができなくなった。現在も偏食が続き、医師から糖尿病の予備軍と診断され、定期的に血液検査をしている。A君はこう語った。

「小学校の先生が『食べないのはおかしい』と決めつけ、無理に食べさせようとするのがつらかったです」

   周囲の無理解が、まだ高校生のA君を糖尿病の一歩手前にまで追いやったわけだ。A君の傍らで母親がこう語った。

「小さい頃に気づいてあげられるのは家族だけです。息子には『ごめんね』という気持ちでいっぱいです」

   番組では、発達障害の子どもの「偏食」対策に取り組んでいる広島県の広島市西部こども療育センターの活動を紹介した。子どもたちに給食を提供しているが、栄養士が保護者から食事の傾向を聞き取り調査している。そして、1人1人の特性に合った食事を調理し出している。たとえば、その日の献立は「すき焼き」だった。硬い物が苦手な子には食材をふやかしたり、ミキサーにかけたりして軟らかくして出す。逆に軟らかい物が苦手な子には食材を素揚げにするなど硬くして出す。また、ピーマン、肉、トマト、魚など食材をイラストにして、料理と一緒に見せながら食べさせている。栄養士がこう語った。

「何を食べさせられるかという不安が、偏食になる理由の1つですから、子どもたちに『これはトマトだよ』と教えて安心させるのです」

   ここに通う子どもの9割は2年ほどで偏食が治り、通常の学校給食を食べられるようになるそうだ。

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