東京都板橋区内で快速電車に飛び込んだ会社員の男性(19)が奇跡的に助かったことに、ネット上で驚きの声が上がっている。
「意識あるか?」「安全帯持ってこい!」。東武東上線の線路上で救出活動を行う消防署員らから、こんな掛け声が次々に上がる。
上半身が窓ガラスにめり込む
ユーチューブに2017年4月6日に投稿された3分弱の動画には、こんな飛び込み事故の救出状況が映されていた。
報道によると、この日午後2時ごろ、男性は東武練馬駅のホームの端から、通過中の池袋行き上り快速電車に飛び込んだ。男性の上半身が運転席の窓ガラスにめり込み、その後救出されて、病院に搬送された。男性は、左足の骨を折るなどして重傷を負ったが、呼びかけに応答している状態だという。
電車の運転士も腕や肩を打つ軽いけがをした。警視庁の高島平署が男性の飛び込んだ状況などを調べている。この事故で、東武東上線は約1時間20分運転を見合わせ、上下線計34本が運休するなどして約9000人に影響が出た。
ツイッターにも、救出活動中の写真が投稿され、それを見ると、男性は、うつぶせの状態で腰から下を外に突き出す形で、窓ガラスにめり込んでいた。前出の動画では、消防署員らもはしごなどを使って救出活動を行っていたが、男性を引っ張り出すのに苦労している様子だった。
「い、生きていると!?」「これで『命に別状はなし』なんだから人間ってすごいな」...
ツイッターなどで驚きの声が上がり、奇跡的に助かった理由についても、「角度とか、体のどこから窓に当たったとか偶然が重なったんだろうな」などと推測されていた。
「助かった理由は、専門家の分析でないとよく分かりません」
一方で、「こんなん運転手さんがトラウマになるよ」などと心配する声が出たほか、「損害賠償高いだろうな」といった指摘もあった。
東武鉄道の広報部は4月7日、今回の事故についてJ-CASTニュースの取材にこう話す。
「東武練馬駅は、快速が通過する駅ですので、減速しないでスピードは出ていたと思います。男性が助かった理由については、専門家の分析でないとよく分かりません。しかし、飛び込んで過去に助かったケースについては、少なくともここ数年はないと思います」
運転士は、全治1週間の打撲傷を負ったというが、「この事故で精神的に参っているということはないと思います」と言っている。
男性に事故の損害賠償を請求するかについては、「人身事故については、ケースバイケースで対応していますが、故意または過失で受けた損害については、原則請求することにしています。今回の事故については、まだ決まっていません」と答えた。