爆発的人気で社会現象とまで謳われたテレビアニメ「おそ松さん」。その「2期」の放送開始決定が2017年4月6日に発表されると、まだ、放送開始時期が未公表にもかかわらず、公式サイトにアクセスが殺到し繋がりにくい状態となり、ヤフーの「急上昇ワード」ではトップ5を「一松」「カラ松」といったキャラの名前が独占した。
ファンにとっては市場規模が300億円以上とも言われるあのフィーバーの再現が期待されているが、「前のような人気にはならないだろう」といった声も割と多い。
「生きてて良かった!!!!!!」
「おそ松さん」はテレビ東京系で2015年10月から16年3月まで放送された。原作者の赤塚不二夫さん生誕80年を記念した作品で、20歳を過ぎてもニートのままの6つ子の生活がハチャメチャなギャグとパロディー、下ネタを交え描かれたが、これがボーイズラブを好む「腐女子」を中心に大人気となり、「社会現象」と呼ばれるまでになった。
BD、DVDが1万枚売れれば大ヒットとされるこの業界で、テレビ放送を収録した1巻は12万枚を出荷。800種類以上とされる関連グッズは即完売、イベントを開けば数千人の若い女性が列をなし、ツイッターやピクシブといったSNSはキャラクターのイラストで溢れた。雑誌の表紙になればその雑誌は完売、増刷になるという珍事も起きた。市場規模は放送5カ月で70億円、番組終了時は300億円とも報道され、侍ジャパンや飲食チェーン店、コンビニ、JRAなどタイアップ企画が続出し、ファンはそこに行列をなした。
そうした「おそ松さん」の「2期」放送開始決定が発表されると、公式ツイッターには、
「生きてて良かった!!!!!!」
「ありがとうございますありがとうございますありがとうございますありがとうございますありがとうございますありがとうございます!!!」
「今この瞬間のために私は生きていたんです...!!」
「2期にもいっぱい貢ぎまくります」
といった大量のリプライが付いた。
また、ネット上では「おそ松さん」関連の検索ワードが急上昇し、ヤフーの「最新―急上昇ワード」(17年4月6日 21時40分更新)では、1位から「一松」「カラ松」「十四松」「チョロ松」「トド松」「おそ松さん2期」と上位を独占した。
ところが、「前のような人気にはならないだろう」と予想する人が結構多いのだ。
「ユーリ!!! on ICE」にファンを取られた?
もともと、人気アニメでも、放送の間隔が空いてしまうと熱が冷めてしまい、既に他のアニメのファンになってしまう人が多くいて、2期のBDやグッズの売り上げがガクンと落ちることが多々ある。その例として今ネット上で取り沙汰されているのが、大ヒットアニメ「進撃の巨人」。2期が3年半ぶりに17年3月から放送開始されたが、ストーリーは前回の続きなのにあまり話題になっておらず、アマゾンなどのBD予約も勢いが弱い、などといった情報が交わされている。
そして「おそ松さん」のファンの中心層はボーイズラブを好む「腐女子」というのが最大のネックになっている、とネット上で指摘されている。「腐女子」は時代の流行に敏感で、現在彼女たちが盛り上がっているのは、フィギュアスケート界を描いたアニメ「ユーリ!!! on ICE」(テレビ朝日系:16年9~12月放送)。16年3月31日発売の第4巻は4月10日付のオリコン週間BD総合ランキングで、3万3000枚を売り上げ1位に初登場している。「ユーリ」に奪われたファンを取り戻せるのか、という議論も始まっていて、
「正直複雑な気分。二期来るのは素直に嬉しいが、人がユーリに流れてて進撃の二の舞になりそう」
「1期の勢いが凄すぎたから、どう転んでもオワコンオワコン言われる運命にある可哀想なアニメ」
「かなり落ちるだろうけどそれでも(BD売り上げは)4~5万、特典よけりゃ6~7万いくだろうなぁ、羨ましいわ。女人気あったのに忘れ去られたアニメはタイバニ、デュラララ、進撃、Dグレ」
などといったことが掲示板に書き込まれている。