従軍慰安婦を象徴する「少女像」が韓国・釜山の日本総領事館前に設置されたことへの対抗措置として一時帰国していた長嶺安政・駐韓大使が、韓国へ帰任した。
これを踏まえ、小説家の筒井康隆さん(82)が「みんなで慰安婦像に射精しよう」などと公式サイトで「提案」したことが、物議を醸している。韓国メディアもこぞって、「衝撃的な妄言」と非難している。
「信じられない」VS「元々あんな人」
筒井さんは、自身の公式サイト「笑犬楼大通り」内の日記「偽文士日碌」の4月4日付け記事に、
「長嶺大使がまた韓国へ行く。慰安婦像を容認したことになってしまった。あの少女は可愛いから、皆で前まで行って射精し、ザーメンまみれにして来よう」
と記した。
ちょうど同日夜、韓国政府に像の撤去を働きかけるため、長嶺氏は85日ぶりに韓国へ帰任。「長嶺大使がまた韓国へ行く」とは、それをうけての表現とみられる。
これが6日昼ごろ、本人のツイッターアカウントから直接投稿されると、
「本気で言っていることですか」
「信じられない」
「がっかり」「下品」「非常識」
との批判が噴出。一方で、
「あれで平常運転」
「元々あんな人」
「筒井康隆さんらしい発言だね」
といった反応も寄せられ、にわかに議論が白熱した。
なお、7日17時までに筒井さんは当該ツイートを削除(日記側の修正はなし)。記述の内容や寄せられた批判について、ツイッター、公式サイトで触れていない。
韓国紙「衝撃的な妄言」「日本は狂っている」
一方、韓国メディアは即座に反応した。朝鮮日報は6日夜、日本語版で「慰安婦:筒井康隆氏が衝撃妄言、少女像を性的に侮辱」といった記事を公開。
「筒井康隆氏が、旧日本軍慰安婦を象徴する少女像を性的に侮辱する衝撃的な妄言を発した」との強い表現を使い、「筒井康隆までこんな発言をするとは、日本は狂っている」「作品がどんなに素晴らしいのか読んだことがないから分からないが、このような失言は準強姦に当たる深刻な失言だ」といった「日本人ネットユーザー」による批判を取り上げた。
また、韓国のテレビ局「YTN」も6日付けの電子版記事で、「衝撃的な妄言で『慰安婦少女像』を侮辱しました」と報じた。
元の記述については「少女像の前まで行って射精して精液まみれにしよう」(朝鮮日報日本語版)、「慰安婦少女像に射精して『××まみれ』にしよう」(ニュースサイト「Insight」の6日付け記事、原文は韓国語)と、それぞれ表現を微妙に変えている。
J-CASTニュースが6日から、筒井さんの意図を聞くため、筒井さんの所属事務所「ホリプロ」を通して質問状を送付したが、7日17時、「筒井氏と現在連絡が取れておらず、取材に答えるのは難しい」との回答が返ってきた。