桜の名所になっている宮崎県延岡市の城山公園で、大学生が使っていたカセットコンロのボンベが破裂し、6人が顔や腕にやけどを負った。延岡署では、J-CASTニュースの取材に対し、使い方が悪かったのか、製品に問題があったのか、などを慎重に調べていることを明らかにした。
突然、打ち上げ花火のような大音響が響き、人の背丈より高い火柱が上がって...。2017年4月4日昼過ぎに起きた破裂で、花見客でにぎわう公園内は一時騒然となった。
使い方を誤った破裂事故は、毎年起きている
報道によると、延岡市内の大学に通う男女8人は、花見でカセットコンロを2台並べ、直径40センチの丸形の鉄板をそれぞれに乗せて焼き肉をしていた。すると、15分後ぐらいに、うち1台のボンベが破裂して、8人のうち近くにいた男子学生6人が巻き込まれた。
やけどをした学生の中には、顔の皮がむけたり、上半身裸になって水で冷やしたりする人も出たという。6人のうち3人は、大事を取って入院した。公園内では、花見シーズンに限ってカセットコンロの使用を市が認めている。
カセットコンロを使って、誤って破裂させる事故は、毎年のように全国各地で報じられている。
製品評価技術基盤機構(NITE)が16年7月に出したプレスリリースによると、ボンベの部分を覆うように鉄板や鍋を乗せたり、コンロを2台並べて使ったりすると、熱がこもってボンベが過熱し、破裂してしまう。14年度までの5年間で年平均4件のペースでこうした事故が起きており、重傷を負うケースも出ていた。
今回の事故について、延岡市消防本部の警防課では、J-CASTニュースの4月6日の取材に対し、原因については調査中だとした。しかし、大学生がコンロの使い方を誤った可能性が大きいと説明した。
リコール対象だったが、「ガス漏れはごくまれ」
「まずボンベの部分を覆うように大きな鉄板を置いたことが危険です。ボンベは2台とも、並べたコンロの外側に位置していましたが、コンロを並べるのがそもそもまずいと思います。さらに、離れたところにいた学生2人の話によりますと、破裂したコンロの五徳が上下逆さまに置いてあったかもしれないということです」
もし五徳が逆さまなら、鉄板とボンベの部分が近くなって、過熱の危険は大きくなる。
一方、今回破裂したボンベは、微量のガスが漏れる可能性があるとして日本瓦斯が1月から自主回収している「RFカセットボンベ」であることが分かった。広報担当者が4月6日、「リコール対象のボンベだと警察から聞いています」と取材に答えた。
ただ、漏れるのはごくまれなため、それが原因である可能性は低いのではないかと言う。使い方の誤りで破裂するケースがかなり多いとして、今回についても、大きな鉄板の下でボンベが過熱して破裂した可能性があるのではないかとしている。日本瓦斯では、製品のボンベについて、大きな鉄板を使ったり2台並べたりすることについて、使用上の注意で危険性を警告している。