「めっちゃありがたい」「あまりにも不愛想」
乗務員が「雑談」を振ることを禁止したこのタクシーをめぐり、インターネット上では賛否が大きく分かれている。ツイッターやネット掲示板をみると、
「良い試み!疲れて話したくない事は多い」
「個人的には大賛成。運転手の相手で疲れたくない。どうでもいい話を聞くのは苦痛」
「ヤバいこれめっちゃありがたい」
などと導入に歓迎する声が上がる一方で、
「そんな事にまで気を配らなければならないなんて、面倒くさい時代だな」
「目的地まで何も会話がないというのはあまりにも不愛想な気がする」
「その場の判断で良いじゃない。何でもルールはやめて」
と抵抗感を示す意見も目立つ。
なかには、「運転手はロボットじゃない」「無口な人のタクシーに乗る方が嫌」などと導入に強く反対する意見もみられた。一方で、こうした意見に対しては「会話したい乗客は自分から運転手に話し掛ければイイだけ」と冷静な指摘も出ていた。賛否の割合は実際の利用客の反応と同様、おおよそ半々に分かれている印象だ。
このように議論を呼んでいるとはいえ、このサイレンス車両はまだ試験運行中のサービスだ。上述した都タクシーの伊藤さんは、今後の展開について「まずは車両の数を増やしていきたい。本格的に導入するかどうかはその上で検討を重ねたいと思っています」。ただその上で、
「今回の試験でも賛否が分かれている通り、この取り組みがタクシーのサービスに関する課題を浮き彫りにしたとも認識しています。今後は、乗務員と『話したいお客様』『話したくないお客様』の双方がもっと気持ち良く利用できるような仕組みを考えていきたいです」
との意欲も見せていた。