「教育勅語を否定させようとする質問を受けることについては、どのようにお感じか」
一連の状況を批判的に報じたのが産経新聞だ。4月5日付朝刊(東京本社版)では、
「教育勅語否定 まるで言論統制」「『妄想』全開 世論あおる朝日」
と題した記事を掲載。前出の朝日社説を「まさに『妄想』全開である」と非難。東京新聞については「言及するまでもない」と切り捨てた。官房長官会見で出た質問についても、質問をした記者の社名を挙げながら
「飛躍した追及が相次いだ」
「政府による『表現』弾圧を求める質問まで飛び出した」
と非難していた。その上で、
「政府は教育勅語を教材に活用するとは言っていないし、そのつもりもない。にもかかわらず、重大事が起きたかのように騒ぐ野党やメディアの姿は異様だ。憲法19条が保障する思想・良心の自由や、言論の自由を定めた憲法21条を自ら踏みにじっているといえる」
などと野党とメディアの姿勢を疑問視した。
この記事には掲載されていないが、産経新聞記者は4月4日午後の記者会見で、
「教育勅語の取り扱いについて長官は、積極的に教育現場で活用する考えは全くない、などと説明している。しかし、そういう中で昨日、今日と連日、野党や一部メディアから教育勅語を否定させようとする質問を受けることについては、どのようにお感じか」
と質問し、間接的に他社の質問内容を批判していた。菅氏は、
「政府としては現行の憲法、さらに教育基本法に沿って適切に対応していく、こういうことに尽きるだろうと思う」
と答えるにとどめた。