「もう二度と来ないでください、あなたは!」
今村復興相の「自己責任」発言に記者は、「あ、そうですか。わかりました。国はそういう姿勢なわけですね。責任を取らないわけですね」。
復興相「だから、そういう、一応の線引きをして、ルールにのっとってこれまでやってきたわけだから。そこの経過はわかってもらわなければならない。だからそれは、さっきあなたが言われたように(編集部注=原発事故について、国と東電の責任を認めた3月17日の前橋地裁判決を指す)、裁判だなんだでも、そこのところはやればいいじゃないですか、やったじゃないですか。(中略)国としてできるだけのことはやったつもりでありますし、まだまだ足りないということがあれば、今言ったように、福島県なり一番身近な寄り添う人を中心にして、そして国が支援をする、という仕組みで、これはやっていきます」
今村復興相が、それまでの見解を改めて繰り返すと、「自主避難の人にはお金が出ていません」と記者が声を上げた。
復興相「ちょっと待ってくださいよ。あなたどういう意味で、こうやってやるのか知らないけど(笑)、ここは論争の場じゃありませんから」
ここで事務方から、会見終了の声がかかった。このため、復興相は「まあ、後で来てくださいよ。そんなこと言うなら」と、ひとまず矛を収めようとしたところ、記者が「責任を持って回答ください」と言いかけた。この言葉に、今村復興相がさっと顔を上げた。
復興相「責任持ってやってるじゃないですか! なんて、君は、無礼なこと言うんだ。ここは公式の場なんだよ(演台を小突く)」
記者「そうです」
復興相「だったらなんで無責任だなんて言うんだよ!(さらに強く叩く)」
記者「ですからちゃんと責任を......」
復興相「撤回しなさい!(指さしながら)」
記者「撤回しません!」
復興相「しなさい! 出て行きなさい! もう二度と来ないでください、あなたは!」
そうして会見場を退出する間際、冒頭の「うるさい!」とブチ切れるやり取りが起きた。「無責任」という言葉が最終的に復興相をキレさせてしまったようだ。
今村復興相はその日夕方になり、「感情的になってしまった」と発言を謝罪した。質問した記者は、その後、ウェブメディア「OurPlanet-TV」に、一連の動画と記事を寄稿している。
J-CASTニュースは5日、復興庁に、会見で今村氏が発言したように、質問した記者が「出入り禁止」になるのか尋ねたが、「決まっていることは特にない」との回答だった。また、今村氏が「感情的」になった理由を聞けないか、今村復興相の議員事務所に連絡したが、電話の呼び出し音が鳴るばかりで、誰も出ることはなかった。