「人のせいにするのは...」質問でスイッチが入った
このあたりから、今村氏はしきりにうなずくなど、動作が大きくなりつつも、三たび同じ趣旨の回答を繰り返す。
復興相「国の役人が、ね、福島県の事情もその人の事情もわからない人たちが、やったってしょうがないでしょ? あるいは他の自治体の人が。だからそれはあくまでやっぱり、一番肝心の福島県が、やっていっていただくということが、一番いいという風に思っています」
これに対し、記者が、ややトーンを上げて、
「それは大臣自身が福島県の内実とか、なぜ帰れないかという実情をですね、ご存じないからではないでしょうか。それを人のせいにするのは僕は、それは......」
と質問した。
ここで今村復興相はさえぎるように声を上げた。
復興相「人のせいになんかしてないじゃないですか。誰がそんなことしたんですか。ご本人が、要するに、どうするんだということを決めて、」
記者「でも帰れないですよ、実際」
復興相「え?」
記者「帰れないから避難生活を送ってるんじゃないですか」
復興相「帰ってる人もいるじゃないですか」
記者「帰ってる人ももちろんいます。ただ帰れない人もいらっしゃる」
復興相「帰ってる人だってねえ、いろんなねえ、難しい問題を抱えながら帰ってもらってるんですよ」
その後も、記者と復興相のやりとりは続き、記者が「判断ができない、帰れないから避難生活を続けなければいけない。それは国が責任を取るべきではないでしょうか」と質問すると、復興相が「いやだから、国はそういった方たちに、いろんな形で、対応してるじゃないですか。現に帰ってる人もいるじゃないですか。いろんな、こんな問題を......」と答えたあたりから、やりとりは熱を帯びてくる。
記者「では帰れない人はどうなんでしょう」
復興相「え?」と聞き返す。
記者「帰れない人はどうするんでしょうか」
復興相「どうするって、それはもう本人の責任でしょう。本人の判断でしょう」
記者「自己責任ですか。(今村復興相、再び「え?」と聞き返す)自己責任だとお考えですか」
復興相「自分はそうだと思いますよ」