「こんなね、人を誹謗するようなことは許さんよ!」「避難者を困らせているのはあなたです」「うるさい!」2017年4月4日午前、復興庁の閣議後記者会見で、今村雅弘復興相(70)がフリージャーナリストの質問に「ブチ切れ」てしまった。
その姿はテレビなどでも何度もリピートされ、菅義偉官房長官や公明党・井上義久幹事長からも苦言を呈されるなど、波紋を呼んでいる。今村復興相はなぜブチ切れたのか。
最初は落ち着いた受け答えだったが...
質問を行ったのは、震災問題など取材しているフリージャーナリストの記者。会見を報じるテレビ映像を元に、両者のやりとりを再現すると――。
記者の質問は、東日本大震災に伴う自主避難者への施策に関するものだった。福島県は避難指示区域外から自主避難を行った住民に対し、住宅の無償提供を行ってきたが、2017年3月31日、これが打ち切られた。住民や支援者などは支援の継続を求め、3月に国に対し署名を提出した。この署名について、まずは記者が尋ねる。
今村復興相は、「いや、まだ確認はしていません」。
続けて記者は、こうした自主避難者への支援が福島県など自治体に任されていることは、国の「責任放棄」ではないか、と詰め寄る。
今村復興相は、「地元の実情に詳しいのは県」という理由から、自主避難者の窓口は県とする体制を維持する、との旨を回答したのに対し、記者は繰り返し、国が対応に当たるよう求め、同様のやりとりが3度にわたって続く。
記者「これから母子家庭なんかで、路頭に迷うような家庭が出てくると思うんですが、それについてはどう責任を取るおつもりでしょうか」