いまから意識高めたい「熱中症」対策

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死亡者の8割近くは高齢者

   熱中症の問題はもちろん、職場に限ったことではない。厚労省の人口動態統計(確定数)によると、熱中症による死者は1995年に318人、10年後の2005年に328人だったが、猛暑に見舞われた10年に1731人とぐんと跳ね上がり、統計として把握できる1960年以降で過去最高に。その後は、11年948人、12年727人、13年1077人、14年529人、15年968人となっている。

   総務省消防庁の16年4月25日~10月2日を対象期間にした「熱中症による救急搬送状況『週別推移』」によると、4月25日から~5月1日の週にはやくも全国で208人が熱中症で救急搬送され、ピークは8月1日~7日の週の6749人。ピーク前4週は2929人~4891人、ピーク後3週は2905人~5700人が運ばれている。

   熱中症の予防や対策がとくに必要とみられるのは高齢者。猛暑の10年に亡くなった1731人のうち65歳以上の高齢者が79.3%と8割近くを占めていた。同年に次ぐ死者数を出した13年は65歳以上が77.3%だった。発生場所はいずれの年齢層でも「住居」が最も多かった。

   環境省の「熱中症予防情報サイト」によると、症状を引き起こすのは、気温や湿度などの「環境」要因、高齢者や乳幼児、肥満や低栄養状態、疾患などの「からだ」要因、激しい筋肉運動や慣れない運動、長時間の屋外作業などの「行動」要因――の3つ。予防には、繰り返し指摘されているが、水分・塩分補給、涼しい服装、日陰の利用などが挙げられている。

   日本の平均気温は、気象庁によると1898年以降では100年あたりおよそ1.1度の割合で上昇。1990年代以降は、高温となる年が多くなっている。日本の気温上昇は世界の平均に比べて大きいという。気温上昇が続けば、熱中症の拡大の可能性が指摘されている。

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