4月に入りやっと、多くの地域では重いコートなどがいらなくなり身軽に過ごせる季節になったばかりだが、転ばぬ先の杖とばかりに、早くも熱中症対策への意識を高める動きが始まっている。
この数年は毎年のように初夏から秋にかけて、熱中症予防を繰り返し呼びかけられているものの発症数や死亡者数に減少傾向がみられないという。人口の高齢化や平均気温の上昇などで、将来にわたって深刻化が懸念されている。
厚労省5~9月「クールワークキャンペーン」
厚生労働省は、東京都のサクラの開花宣言が出された3日後の2017年3月24日に、5月~9月を期間として「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施すると発表した。4月はその準備期間に充てるという。
同省によると10年以降、職場での熱中症発症者は400~500人で推移しており、減少傾向がみられないという。また死亡者数は13年に30人、15年に29人など、12年~16年の5年間で80人を超えた。
同省の「第12次労働災害防止計画」(13年~17年)では、職場での熱中症について「第11次労働災害防止計画」(08年~12年)の期間と比較して死傷者数を20%少なくする目標が設定されていたが、17年1月の速報値で1879件と、第11次計画期間(1948件)の95%に達し、あと1年を残し目標件数の目安となる1558件超えてしまった。
「クールワークキャンペーン」では、予防対策やセミナーを紹介する専用ウェブサイトを特設するほか、各団体で個々に実施されていた取組を相互に連携させ横断的な対策推進を図るという。