【サタデープラス】(TBS系)2017年3月25日放送
「健康ピンキリランキング特別編 ベスト1位の県民が愛する3大食材」
日本国内でも所変われば、気候や環境、食事などの生活習慣は大きく違う。となると、都道府県によってかかりやすい病気、かかりにくい病気にも差が出てくる。
番組では、47都道府県を病気・症状別にかかりにくい順のランキングを作成。1位に輝いた県の食生活に着目し、健康の秘けつをさぐった。
生ダコ使った「タコ飯」で脳卒中予防
まずは「脳卒中ランキング」だ。2010年の都道府県別脳血管疾患死亡率(年齢調整済み)から男女平均を算出して順位付けした結果、脳卒中死亡率が最も低いのは香川県だった。
県内の市場やスーパーを訪れると、生のタコがずらりと並んでいた。このタコに含まれる成分「タウリン」が、血管の健康に効果的だ。
タウリンは多くの栄養ドリンクに配合されていて、一般的には滋養強壮に効果があるとされているが、最近の研究で、コレステロール値や血圧を下げるとわかってきた。
香川県の家庭では、サトイモとタコを一緒に煮た郷土料理「イモタコ」、足1本を丸ごと揚げた「タコの天ぷら」など、色々な料理で週に1回はタコを食べるという。
その中で、東京女子医科大学脳神経外科の清水俊彦ドクターが特に勧める食べ方が、生ダコを使った「タコ飯」だ。
タウリンは水溶性なので、タコをゆでると一部が溶け出してしまうが、生ダコから米と一緒に炊けば全て吸収できる。
もちろんゆでダコにもタウリンは含まれているので、買う際に必ず生ダコを選ばなければならないわけではない。
名物「モーニング」が糖尿病防いでいた!?
続いては「糖尿病ランキング」。2014年の都道府県別糖尿病死亡率(確定数)をもとに順位付けした結果、糖尿病死亡率が最も低いのは愛知県だった。
愛知県といえば、コーヒー代だけでパンにサラダ、スープ、ゆで卵などが一緒に食べられる、喫茶店の「モーニング」が知られているが、実はこれが糖尿病予防に一役買っている可能性がある。
東京医科大学病院の小田原雅人ドクターいわく、糖尿病予防には「セカンドミール効果」が重要だ。
朝食(ファーストミール)を食べると昼食以降(セカンドミール)の食後高血糖が改善されるというもので、前日の夜から長時間何も食べていない状態が続くと、小腸が糖を積極的に吸収し、食後に血糖値が大幅に上がりやすくなる。3食規則正しく適切な量を食べることが糖尿病予防につながるのだ。
朝食とともにブラックコーヒーを飲むとさらに効果的だ。コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」という成分が、血糖値を下げるインスリンの効果を高めるといわれている。
ブラックで飲むのが望ましいが、苦手な人はミルクを少量入れてもよい。砂糖は入れないようにしよう。
愛知県でみそがよく食べられているのも、糖尿病予防につながっていると考えられる。
みそには、糖類の消化吸収を阻害し、食後の高血糖を抑える「メラノイジン」という抗酸化物質が含まれている。
特に色が濃い赤みそにメラノイジンが豊富なので、糖尿病が気になる人は、みそを買う際は赤みそを選ぶとよい。
ひじき×酢で肥満知らず
最後は「肥満ランキング」だ。2012年の国民健康・栄養調査「BMI(体格指数)平均値」の男女の順位をもとに番組独自で作成したランキングでは、最も肥満の人が少ないのは三重県だった。
秘密はズバリ「ひじき」だ。日本に流通しているひじきの約60%は三重県から出荷されていて、毎年9月には「ひじき祭」なるイベントも開催されている、県民食といえる食材だ。
食物繊維は腸内の糖質やコレステロールを絡め取り、体内に吸収されるのを抑えるため、肥満を予防する栄養素として知られるが、海藻類は「食物繊維の王様」とも呼ばれる。中でもひじきが食物繊維を豊富に含む。
地元で愛されている食べ方のうち、松生クリニックの松生恒夫院長が勧めるのは「ひじきの酢の物」だ。酢に含まれる酢酸が食物繊維をやわらかくし、コレステロールを排泄する能力をアップさせる。