中国から飛来する微小粒子状物質「PM2.5」が原因で、日本・韓国などの「中国以外の東アジア」の3万人以上が早期に死亡しているという研究結果が発表された。PM2.5にさらされると、肺がんや不整脈など、呼吸器疾患や心血管系疾患の症状が出やすくなるとされている。
研究結果を受け、日本のツイッターで「マジ勘弁」などと中国に対して批判的な声が相次いでいる。
英科学誌「ネイチャー」ウェブ版に掲載
英科学誌「ネイチャー」ウェブ版に「大気汚染と国際貿易の国境を越えた影響」という論文が掲載されたのは現地時間2017年3月29日。中国・清華大学の張強教授、米カリフォルニア大学アーバイン校のスティーブン・ジェームズ教授など、22人の研究者が共同で行った。
研究チームは、PM2.5による早期死者が2007年の1年間で全世界に345万人いたとし、そのうち、他国から飛来したPM2.5が原因の早期死者は約12%の41万1100人に及んでいたと結論付けている。
研究では、PM2.5が原因の早期死者について、PM2.5の流入経路を表にまとめている。たとえば、米国での早期死者はどこから流入したPM2.5が原因かをみると、88.9%が同じ米国内で、次に多いのはカナダからのもので6.2%。同様に、西ヨーロッパでの早期死者は85.4%が同じ西ヨーロッパ発、次いで多いのは東ヨーロッパ発のもので9.8%。このように、PM2.5が原因の早期死者は、多くが同じ国・地域内で発生したものに起因している。
ところが、日本・韓国などの「中国以外の東アジア」でのPM2.5が原因の早期死者は、「中国以外の東アジア」発のものが55.5%にとどまり、次いで多いのは中国発のもので40.5%。人数にして約3万900人となっている。他の国・地域から流入したPM2.5を原因とする早期死亡の割合としてはかなり多い。
こうした研究結果が報じられると、日本のツイッター上では中国に対する批判的な反応が相次いだ。
「中国のPM2.5飛来で、健康被害とマジ勘弁。。」
「迷惑千万」
「何で日本まで巻き込むんじゃ」
「汚染対策が進んでいない」
「おのれ中国め PM2.5なんぞ飛ばしよって」
中には「汚染による2007年の死亡率の推計結果が発表されたことは良いこと。これが、対策を進める上で尻を叩く材料になれば良いな」と、今後の動きに期待する声もみられた。