「キセノミクス」半端じゃない 稀勢の里「逆転優勝」で経済効果1.5倍

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   大相撲3月場所で横綱・稀勢の里が逆転優勝したことで大きな経済効果が予想されており、「キセノミクス」とまで呼ばれている。

   その波及効果は年間34億円を超えるとの試算が出され、「若貴時代」に匹敵する勢いではないかとみられている。

  • ジャポニカ学習帳「横綱・稀勢の里版」5ミリ方眼罫(提供:ショウワノート)
    ジャポニカ学習帳「横綱・稀勢の里版」5ミリ方眼罫(提供:ショウワノート)
  • ジャポニカ学習帳「横綱・稀勢の里版」自由帳(提供:ショウワノート)
    ジャポニカ学習帳「横綱・稀勢の里版」自由帳(提供:ショウワノート)
  • ジャポニカ学習帳「横綱・稀勢の里版」8ミリ横罫(提供:ショウワノート)
    ジャポニカ学習帳「横綱・稀勢の里版」8ミリ横罫(提供:ショウワノート)
  • ジャポニカ学習帳「横綱・稀勢の里版」5ミリ方眼罫(提供:ショウワノート)
  • ジャポニカ学習帳「横綱・稀勢の里版」自由帳(提供:ショウワノート)
  • ジャポニカ学習帳「横綱・稀勢の里版」8ミリ横罫(提供:ショウワノート)

「ジャポニカ学習帳」予定の2倍

   稀勢の里は2017年3月12日~26日の大相撲3月場所で、左肩付近を13日目痛めながらも、星の差1つで負う大関・照ノ富士に千秋楽の本割・優勝決定戦で連勝。大方の予想を覆す「奇跡の逆転優勝」を果たした。1月場所の初優勝で19年ぶりに誕生した日本出身横綱として場所前から人気は凄まじかったが、連続優勝したことで輪をかけて注目を集め、経済効果を生んでいる。代表的なのは稀勢の里にまつわるグッズ販売だ。

   たとえば、ショウワノートの「ジャポニカ学習帳『横綱・稀勢の里版』」は、デフォルメされた稀勢の里のイラストが表紙に大きくデザインされており、横綱昇進を記念し、3月場所開幕に合わせて17年3月12日に発売された。イラストを担当したのは元大相撲力士の漫画家・琴剣淳弥(ことつるぎ・じゅんや)さんで、太い眉毛や固く結んだ口元などが特徴的に描かれている。J-CASTニュースが30日、ショウワノート広報担当者に、逆転優勝で終えた3月場所後の売れ行きについて取材したところ、

「当初予定していた2倍の売れ行きです。4月下旬には再出荷をする予定です」

と好調を明かした。

   3月29日放送の「白熱ライブ ビビット」(TBS系)では、優勝後の「キセノミクス」の具体例を紹介している。東京・浅草の相撲グッズ販売店で稀勢の里の顔をデザインした湯呑みやうちわなどの商品の売り上げは「うなぎ登り」といい、都内にある稀勢の里の出身県・茨城のアンテナショップでは、優勝を記念した「横綱福袋」を千秋楽直後の3月27、28日に100個ずつ販売したところ行列ができ、両日とも1時間以内に完売したという。

『若貴時代』に匹敵

   関西大学の宮本勝浩名誉教授が3月10日に発表した「稀勢の里の横綱昇進による経済効果」によると、キセノミクスの試算額は2017年の1年間で22億4856万円になる。本場所の入場料や関連グッズに加え、CM出演、地方巡業の客入り、懸賞金などの増加が見込まれるという。

   ただ、これは横綱昇進後、3月場所前の試算だった。J-CASTニュースがあらためて宮本氏に取材したところ「3月場所で優勝するとは思っていませんでした。ところが逆転優勝をして、予想を超える盛り上がりを見せています」とし、再試算した結果、当初の1.55倍の34億8624万円にのぼったという。

   宮本氏によると、野球のダルビッシュ有投手や田中将大投手らトップアスリートがもたらす経済効果が年間30~40億円とされており、稀勢の里はこれとほぼ同額。「スポーツ選手としては最高クラスの額です。この勢いだと、正確に比較していないのではっきりとは分かりませんが、若乃花と貴乃花が隆盛した『若貴時代』に匹敵する効果があるかもしれません」とし、さらにこう話している。

「大相撲の経済効果としては、本場所での客の入場料と、そこでのグッズ購入が結構な割合を占めるのですが、両国国技館の収容人数は約1万1000人、3月場所の会場・大阪府立体育会館は約8000人です。プロ野球各球団の球場が3万~5万人収容できるのと比べて規模が小さい。それでも野球のトップ選手と同規模の経済効果を見込めるので、もし大相撲の収容人数がもっと多かったら、さらに大きな額になると思われます」
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