『若貴時代』に匹敵
関西大学の宮本勝浩名誉教授が3月10日に発表した「稀勢の里の横綱昇進による経済効果」によると、キセノミクスの試算額は2017年の1年間で22億4856万円になる。本場所の入場料や関連グッズに加え、CM出演、地方巡業の客入り、懸賞金などの増加が見込まれるという。
ただ、これは横綱昇進後、3月場所前の試算だった。J-CASTニュースがあらためて宮本氏に取材したところ「3月場所で優勝するとは思っていませんでした。ところが逆転優勝をして、予想を超える盛り上がりを見せています」とし、再試算した結果、当初の1.55倍の34億8624万円にのぼったという。
宮本氏によると、野球のダルビッシュ有投手や田中将大投手らトップアスリートがもたらす経済効果が年間30~40億円とされており、稀勢の里はこれとほぼ同額。「スポーツ選手としては最高クラスの額です。この勢いだと、正確に比較していないのではっきりとは分かりませんが、若乃花と貴乃花が隆盛した『若貴時代』に匹敵する効果があるかもしれません」とし、さらにこう話している。
「大相撲の経済効果としては、本場所での客の入場料と、そこでのグッズ購入が結構な割合を占めるのですが、両国国技館の収容人数は約1万1000人、3月場所の会場・大阪府立体育会館は約8000人です。プロ野球各球団の球場が3万~5万人収容できるのと比べて規模が小さい。それでも野球のトップ選手と同規模の経済効果を見込めるので、もし大相撲の収容人数がもっと多かったら、さらに大きな額になると思われます」