本田真凜「やばいやばいやばいやばい」 羽生結弦が「奇跡の逆転優勝」

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   銀盤の王子が異彩を放った瞬間だった。

   フィギュアスケートの世界選手権は2017年4月1日、男子のフリーが行われ、羽生結弦(22=ANA)が自身の世界記録を更新する223・20点を叩き出し、SPとの合計321・59点で金メダルを獲得した。

   SP2位の宇野昌磨(19=中京大)は214・45点を記録し、フリーでは初めて200点の大台を突破した。合計点も初めて300点を超え(319・31)、銀メダルを獲得した。

  • 歴代最高得点をマーク(写真は2014年4月24日撮影)
    歴代最高得点をマーク(写真は2014年4月24日撮影)
  • 本田真凜も驚き隠せず(写真は2016年11月21日撮影)
    本田真凜も驚き隠せず(写真は2016年11月21日撮影)
  • 歴代最高得点をマーク(写真は2014年4月24日撮影)
  • 本田真凜も驚き隠せず(写真は2016年11月21日撮影)

圧巻のノーミス演技

   羽生が冒頭の4回転ループに成功すると、会場は拍手に包み込まれた。それに後押しされたのだろうか。羽生はSPで失敗した4回転サルコーと3回転トウループの連続技も鮮やかに決めたほか、3回転フリップ、4回転サルコー、4回転トウループと3回転半‐2回転トウループ、3連続ジャンプ、3回転ルッツ...ジャンプをすべて跳び切った。満足気な表情を浮かべてキス・アンド・クライに戻った羽生に、会場アナウンスは「223.20」の世界歴代最高得点を告げた。

   2日前のSPは振るわなかった。演技冒頭の4回転サルコーと3回転トウループの連続技に失敗した上、名前がコールされてから30秒以内に演技し始めなければならないルールにも抵触した。得点98.39の5位に終わり、首位のフェルナンデス(スペイン)とは10点以上離された。

   しかも羽生は今季、出場した5戦すべてのフリーで何かしらジャンプのミスを犯している。4回転サルコーと3回転トウループの連続技に至っては、1度も成功していなかった。

   解説者の佐野稔氏は、3月31日付のサンケイスポーツに寄せたコラムで

「羽生は、4回転サルコーがトラウマになっている。無我夢中で跳べておらず、練習をたくさんしてきたというコメントを報道で見聞きするが、結果が出ていないということは克服できていないということ」

とコメント。フリーでフェルナンデスを破るためには

「3種類持っている4回転ジャンプをミスなく滑りきるしかない」

と指摘していた。

   だが羽生は見事、フリーで4本の4回転ジャンプを成功し、世界歴代最高点で最高のパフォーマンスを見せた。

安藤美姫「ゆづくん神だった」

   解説者の本田武史は、担当していたテレビ中継で

「今日のフリープログラムは素晴らしかった。全部のジャンプに何も言うことがない」

と脱帽した。

   プロフィギュアスケーターの安藤美姫はツイッターで「ゆづくん神だった」「なんと度肝を抜かれた感動的な試合」と称賛し、女子フィギュアスケートの本田真凜も、ツイッターに

「やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいすごすぎるやばいすごすぎるやばいすごすぎるやばいすごすぎるやばいすごすぎるやばいすごすぎるやばい」

と投稿した。

   羽生は演技終了後のインタビューで、フリーの内容について聞かれると「もう今、きょう滑ったプログラムのことは忘れてしまった」と話した。その上で、ファンに向けて

「皆さんが私に自信を与えてくれた。皆さんに私の最高の演技を見せられないこともあり、それは本当に悲しいこと。ただファンの皆さんが喜んでくれたのだったら最高にうれしい」

と語ると、会場中が大歓声に包み込まれた。

   あと1年後に迫った平昌五輪については、淡々とした表情で

「もっと練習を重ねなくてはいけないことが分かってきた」

と述べた。

   羽生結弦は、来年に平昌五輪を控えた重要なシーズンを最高の結果で締めくくった。

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