開幕は菅野でなくマイコラス
2年目の高橋監督が現在その立場にある。
「化学反応」
こんな球界には聞き慣れない単語を使って健闘を誓った。
「現有戦力、新戦力、若い力、それらの全ての力を化学反応させることで、選手とチームが成長、進化し続ける1年にできればと思っている」
どう化学反応するかは今後の期待だが、オープン戦の勝率2割6分3厘は、ファンをやきもきさせる低い数字だった。
29日に公示された一軍選手を見ると、補強の目玉だった山口俊投手(前DeNA)と陽外野手(前日本ハム)が調整不足で外れた。吉川投手(前日本ハム)は不安定で、かつてのMVPの面影がない。ドラフト1位もいない。
開幕投手はマイコラス。エース菅野はWBCの疲れを理由に見送った。
それでも専門家やメディアは「戦力は充実」と評価する。いい選手はそろっている、ということである。なかでもWBCで成長した小林捕手は注目の一人だ。
フロントは大金を投じて戦力補強しているから、その対価として優勝を義務づける。ナベツネ氏の言う31日は開幕日のことで、その日に強さを見せてくれ、という至上命令なのだ。優勝を作り出す化学反応はドクター高橋監督の隠し球といっていい。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)