世界一の「健康民族」がアマゾン川にいた 心臓病やアレルギーがないチマネ族の秘密

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母乳に有益なオメガ3脂肪酸がたっぷり

   実は、チマネ族は「健康民族」として過去に何度か研究の対象になってきた。2012年に米カリフォルニア大学が行なった調査では、チマネ族の女性の母乳には、米国人女性と比較して有意に高濃度の有益なオメガ3脂肪酸が含まれていることが報告された。また、2015年に行なわれた同大の別のチームの研究では、不眠症や睡眠障害に悩む人はゼロだった(米国人では20%以上)。日没とともに眠り、日が上がると目覚める。夜間の最も気温が下がる時間帯に最も眠りが深くなる。日の光と気温の変化のサイクルに応じて眠るメカニズムになっている。自然の理にかなっているわけだ。

   また、2014年に科学ジャーナリスト、モイセズ・ベラスケス=マノフ氏が出版した『寄生虫なき病』(文藝春秋社)にもチマネ族が出てくる。この本は、著者がチマネ族の元を訪れるところから始まる。現在も石器時代のような生活を送る彼らは、微生物や寄生虫がうようよいる環境で暮らしている。チマネ族は、心臓病の重大な原因となる「炎症」を引き起こす人が多いのに、心臓病がほとんどないのはなぜか。また、文明病といわれるぜん息などのアレルギー、乳がん、前立腺がん、大腸がん、卵巣がん、精巣がんが皆無といわれるのはなぜか。それは、チマネ族の人々がほとんど全員、鉤虫(こうちゅう)と呼ばれる寄生虫に感染しているからだという。寄生虫が体内にいることによって、免疫力を高めていると著者はいう。

   ただし、この本では成人になったチマネ族の人々は健康だが、乳児や子どもの死亡率が非常に高いことも指摘している。

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