ビタミンEは骨折予防に効くが、摂りすぎに注意
宮本特任准教授はこう注意を呼びかける。
「ビタミンEをとることが大切ですが、ビタミンEは脂溶性のビタミンで、摂りすぎに気をつけてください。水溶性ビタミンは、過剰に摂取しても余分なものは尿として排出されるので、副作用の心配はあまりありません。しかし、脂溶性ビタミンは水に溶けずに脂肪組織や肝臓に貯蔵されるため、過剰に摂取すると副作用の心配があります。適度にとることが大事です」
また、今回は女性が対象の研究だったが、酒を飲んで顔が赤くなる人は男性にも多い。骨折の心配は男性に当てはまるそうだ。それだけではない。宮本特任准教授は、顔が赤くなる人は、たとえ酒を飲まなくても骨粗しょう症に気をつけてほしいと、次のように強調する。
「実は、今回研究に協力してくれた女性は、ほとんどがお酒を飲めない人たちです。しかし、体内にはアセトアルデヒドが残っていました。理由はわかりませんが、アルコールを摂取しなくても発酵食品からアセトアルデヒドが発生しているようです。お酒を飲むと赤くなる人は、お酒を飲まなくてもリスクを抱えています。顔が赤くなる持って生まれた体質は変えようがありませんが、ビタミンEをとることで遺伝子の影響が減り、骨折予防につなげることができます」