富山は「雪が残っていない状態の登山だけ」
冬山登山については、都道府県によって、対応がまったく異なっている。
富山県教委の保健体育課では、スポーツ庁の通達を各校に周知させており、「雪が残っていない状態の登山しかされていません」とJ-CASTニュースの29日の取材に答えた。各校では、計画書を出したうえで、4月下旬から11月まで登山しているそうだ。
なぜ栃木県は、冬山や春山の登山も認めることをしているのか。
県教委のスポーツ振興課では、取材に対し、県高体連の登山専門部が1952年に立ち上がり、その要請を受けて登山計画審査会が設置された、とその経緯を説明した。安全が十分に確保されるとの条件付きで審査会が登山を認めており、2016年度は、15校27件が認められた。このうち、6校6件は、県教委が冬山とする11月末から2月末までの期間だった。ただ、コースや日程の変更などが求められたケースもあったという。
今回の登山講習会が冬山や春山の登山に当たる可能性については、「審査会を通すべきであったか、検証していきたい」と話している。また、冬山や春山の登山を全面的に禁止すべきかどうかも検討しているという。
スポーツ庁の健康スポーツ課によると、冬山登山については、1974年の通達で、学校や保護者の理解を得て、指導者などの条件が整えば、安全な場所での基礎的訓練の範囲なら例外として認めるとしていた。栃木県のケースについても、例外に当てはまる可能性はあると取材に答えた。
今回の講習会が例外に当たるのかどうかについては、「今後の調査内容を見て判断したい」としている。