規制庁「特段問題がある数値とは認識していない」
こうした「女性自身」の記事の内容を受け、原子力規制庁は17年3月24日に公式サイト上に見解を掲載。この「平成29年3月21日女性自身の記事について」と題したコメントでは、
「降下物の数値の変動と建屋カバー撤去工事及びその後の作業との関係はないと考えております」
と説明。その理由については、記事で紹介された16年9月から17年1月の期間中、カバーの撤去作業が行われた1号機の敷地内や敷地境界など計34か所に設置した飛散物のモニター装置では、「異常な数値」が確認されなかったためだと説明している。
J-CASTニュースが3月27日、原子力規制庁福島第一原発事故対策室の担当者に取材したところ、原子炉建屋のがれきなどの撤去作業時には「のり状」の飛散防止剤を吹き付けるなど「徹底して飛散物が出ないよう管理を行っている」として、
「カバーの撤去と降下物の数値の変動に関係があるとは思えません」
と話した。
また、同庁監視情報課の担当者は取材に対し、今回の記事で指摘された降下物の放射性物質量の増加については、
「風や天候の影響で数値が左右されやすい調査になりますので、今回のように数値が大きく上下することは通常でも十分に考えられます。(記事で取り上げられた)数値の変動についても、環境的な影響によるものではないかと考えています」
と説明。17年1月に福島県双葉郡で観測された5470ベクレルという数値については、「特段問題がある数値とは認識していない」としていた。
担当者が話した通り、同庁が実施している降下物の過去の調査データを見ると、短期間で放射性物質量の数値が乱高下しているケースはある。特に、福島県双葉郡の15年のデータは上下が激しく、2月に8700ベクレルあったものが、4月には75分の1以下の115ベクレルまで激減。その翌月の5月には再び610ベクレルまで上昇している。