東芝は2017年3月29日、原発関連の米子会社・ウエスチングハウス(WH)の破産を米国の裁判所に申請したと発表した。破産法の適用により、巨額損失を出した海外原発事業からの完全撤退が決まる。
破産申請には、決算の連結対象からWHを切り離し、新たな損失リスクを抑える狙いがあるとみられる。
一方、東芝はWHに7934億円の債務保証があるほか、違約金が生じる恐れもある。破綻処理の内容によっては、17年3月期の最終損益は1兆円規模の赤字となる可能性もある。
東芝は、06年にWHを買収し、世界各国で原発事業に乗り出した。しかし、11年の福島第一原発事故をきっかけに世界各国の安全基準が強化され、原発の建設費用が膨らみ、巨額の損失を被っていた。