【サタデープラス】(TBS系)2017年3月18日放送
「プロしか知らないトマトの新常識 賢い食べ方&(秘)保存法を大公開」
サラダや温野菜、スープなど、食卓で大活躍のトマト。夏が旬というイメージがあるが、実は冬に採れるトマトの方が生育期間が長く、味が濃くおいしいとみられる。
番組では、日本一トマトに詳しいと思われる企業・カゴメに潜入し、プロだからこそ知るトマトの健康効果やおいしく食べるコツを聞き出した。
骨への健康効果も期待
トマトの栄養素といえば「リコピン」がよく知られている。抗酸化作用が非常に強く、ビタミンEの約100倍の効果があるとの研究も報告されている。
リコピンには抗酸化作用だけでなく、血管にたまった悪玉コレステロールを取り除いて動脈硬化を防ぐ、善玉コレステロールを増やす働きもある。自然健康研究部の薬学博士・相澤宏一さんがこの効果を突き止め、トマトジュースのパッケージに「血中コレステロールが気になる方に」と表記したところ、前年比1.7倍も売り上げがアップしたそうだ。なお同社のトマトジュースは、消費者庁に「機能性表示食品」として届け出たうえでこうした表記が許されている。
現在は骨への健康効果の研究が進められている。骨は、古い骨から新しい骨を作る「骨代謝」を繰り返して強さを保っているが、リコピンが骨代謝のバランスを調節する働きがあり、骨の状態をよくするという研究報告がある。あくまでまだ研究段階なので、くれぐれも食べすぎには注意だ。
新品種開発者が教えるおいしいトマトの見分け方
カゴメは加工食品だけでなく、生鮮トマトも開発、販売している。新品種の開発に携わり、入社20年で2万個以上ものトマトを食べてきたという農資源開発部の山岡浩一さんは、新鮮なトマトは冷蔵庫の野菜室で2~3日寝かせてからの方がおいしくなると発見した。
新鮮なものは酸味が強いが、野菜室で寝かせると酸味がトマトの呼吸で消費され、甘味だけが残ると気付いた。
これは山岡さんの感覚だけではない。番組で調査したところ、トマトを買った初日と、3日間冷蔵庫で寝かせた後では、後者のトマトの酸味が減り、甘味と旨味が増えていた。
買う時においしいトマトを見分けるには、「張りがあり、ヘタが緑色でピンとしている」「形がきれいな丸でずっしりとした重さがある」という2つのポイントに注目しよう。
フライパン1つで簡単健康レシピ
1000以上のトマトを使ったレシピを開発してきたという営業推進部の上ノ堀聡子さんからは、健康効果がアップし、フライパン1つで簡単にできるメニュー「サバ缶トマトパッツァ」が伝授された。
材料(2人前)と作り方は以下の通り。
カゴメ基本のトマトソース(295グラム) 1缶
サバ水煮缶 1缶
キャベツ 8分の1個
タマネギ 2分の1個
ブロッコリー 4分の1株
ミニトマト 6個
牛乳 2分の1カップ(100mL)
トマトケチャップ 大さじ1
(1) キャベツ、タマネギ、ブロッコリーは食べやすい大きさに切る。
(2) フライパンにトマトソース、牛乳、トマトケチャップを入れ、混ぜる。リコピンは油に溶けるので、牛乳に含まれる乳脂肪分がリコピンの吸収率をアップさせる効果がある。トマトケチャップにはリコピンと旨味が凝縮されていて、塩コショウの代わりに使うと減塩になる。
(3) (1)の野菜、サバ水煮缶、ミニトマトを並べる。
(4) ふたをして火にかけ、沸騰したら中火にして10分煮込めば完成。好みで仕上げに黒コショウを振る。
トマトにはグルタミン酸という旨味成分が含まれ、サバの旨味成分のイノシン酸との相乗効果でおいしさがアップする。トマトのクエン酸が臭みを消すため、魚との相性はバッチリだ。入れる野菜は冷蔵庫にあるものでよい。