「人質外交」に妥協迫られたとの見方も
ただ、今後の遺体の扱いについては諸説が報じられている。ニュー・ストレートツ・タイムスは
「遺体が火葬されるのか、土葬されるのか、それとも再び霊安室に戻されるのかは明らかではない」
とするにとどめているが、韓国の聯合ニュースは
「マレーシア政府は前日から正男氏の遺体引き渡しを要求する北朝鮮と非公開で協議を進めてきた。現地外交筋は北朝鮮に引き渡すために遺体が火葬された可能性を指摘する」 と「火葬」説をとる。
中国語紙「中国報」は、3月26日に警察官4人が2時間30分にわたって北朝鮮大使館を訪れ、事件への関与が疑われている二等書記官や国営高麗航空職員ら3人への事情聴取を行ったと報じた。北朝鮮側が事情聴取に応じる代わりにマレーシア側は遺体の引き渡しに応じた可能性もあり、韓国の英字紙、コリア・ヘラルドは、
「(平壌の大使館員ら)マレーシア人9人が北朝鮮から出られなくなったり、北朝鮮政府の非協力的な態度が原因で捜査が暗礁に乗り上げたりと、マレーシアにとっては、今回の事案は国内的にも国際的にも政治的重荷になってきた」
として、北朝鮮の「人質外交」が原因でマレーシア側が「合意」せざるを得なかった可能性を指摘している。