伊集院光「矛盾を感じる」
「奇跡の逆転優勝」へのブーイングはこれだけにとどまらない。
けがを押しての稀勢の里の強行出場をめぐっては、タレントの伊集院光さんが3月27日放送の「伊集院光とらじおと」(TBSラジオ)で、第89回選抜高校野球(センバツ)での「エースの連投問題」と比較した。26日にはセンバツ2試合が延長15回で決着がつかなかった。そのうち、福井工大福井の摺石達哉投手は193球、福岡大大濠の三浦銀二投手は196球を投じており、中1日を挟んで28日の再試合でも先発登板が有力視されている。
伊集院さんは「高校野球で球数を相当投げて、投手生命を縮めているんじゃないかという議論が前々からずっとある。高校生に無理させちゃいけないんじゃないかと」とした上で、
「でね、(高校野球と大相撲を)並べてスポーツニュースを見てるとすごく感じることがあった。もちろん高校生とプロフェッショナルを同列に比べちゃいけないけど、けがを押して出てあの中で逆転優勝する稀勢の里への思い入れと、無理して投げるエース投手への思い入れってものは、高校野球のピッチャーを『無理しすぎてる、けしからん』っていう口のまま稀勢の里をほめちゃってるから、矛盾を感じる」
と、同じように体に無理をさせながら出場する両者への評価の違いに触れた。
強行出場によるけがの長期化について、大相撲を40年見続けている作家・星野智幸さん(51)は26日のブログで言及。照ノ富士は、2015年9月場所終盤で右ひざ前十字靭帯を損傷しながらも強行出場を続け、これが前出の「古傷」の原因とされている。星野さんは「私はこのとき無理に出場しなければ、もう少し怪我は軽く済んだのではないかと思っている」とした。さらに
「稀勢の里の怪我が致命傷でなくて、また元通りの相撲が取れるようになることを祈るのみだ」
と憂慮している。