卵巣機能が低下し、自分の卵子では妊娠できない女性のために卵子を提供する女性を募り、不妊専門クリニックで体外受精が実施できるように支援するNPO法人「OD-NET(卵子提供登録支援団体)」は2017年3月22日、匿名のドナーから提供された卵子を使って体外受精をした女性が、1月に女児を出産したと発表した。
第三者からの提供卵子による体外受精、出産は国内で初めての事例となる。
卵子提供にも応募者多数
OD-NETの報道発表によると、1月に出産したのは若い頃に卵巣機能が低下して月経が止まってしまう「早発閉経」の40代女性。第三者の30代女性から提供された23個の卵子を、夫の精子と体外受精させて受精卵とし、子宮に移植。1度目は成功しなかったが、2016年4月に行った2度目の移植で妊娠した。
卵子提供者は、35歳未満で子どもがいることが条件。OD-NETが募集し、現在までに100人以上の応募があったという。今回のケースではドナーと希望者の居住地や年齢、血液型などを検討して組み合わせを決め、互いの情報は知らないとしている。
なお、すでに卵子提供を受けた40代と30代の女性も年内に出産予定。このほか3組が年内に卵子提供を受ける予定だという。