「乳児期の写真」と「親の署名・捺印」
この高校では、証明に必要なのは「乳児期の髪の毛が確認できる写真」と「親の署名・捺印」の2点。必要があれば、親が髪の毛の事情についての説明を書く。用紙は入学前の新入生説明会で配られ、入学後に任意で提出する。全生徒が出す必要があるものではないが、あまりに外見上不自然であれば学校側から提出を求める場合もあるという。証明できれば「地毛証明証」というカードが発行され、染髪やパーマなどをしていると思った教師が頭髪指導をしようとした場合でも、「証明証」を見せることで指導を受けずに済む。「手を加えていない地毛でさえあれば、かなり明るい茶色であっても認めています」という。
ツイッター上ではこうした「地毛証明」に拒否感を示す声もあったが、生徒からはどのように受け止められているのか。副校長は「嫌がる生徒はいますよ。好きな色に染めたいという生徒もいますし、学校から縛られるのは気持ち良くないとは思います。丁寧に説明していくしかないでしょう」と話す。
それでも導入している背景について、こう明かした。
「かつて、うちの生徒が茶髪をはじめ、騒音などでも近隣住民に多大な迷惑をかけていた時代がありました。学校全体のイメージが悪くなり、就職や進学にあたっても出身高校名だけでマイナスの印象を持たれ、他の多くの生徒にも悪影響を及ぼすようになりました。そのため、身だしなみや風紀に関しての指導体制をしっかりしていこうと校則を整備する中で、頭髪については生まれつき少し違いがある生徒もいるということで、数年前から地毛証明を取り入れた次第です」
九州地方のある県立高校の生徒指導部担当者もJ-CASTニュースの取材に対し、「県の取り決めはありません。当校独自に地毛証明の制度を定めています」と話している。