森友学園をめぐる問題では、「ファクス」の次は「メール」をめぐって籠池泰典理事長側と政府との攻防が展開されることになりそうだ。
安倍晋三首相の夫人、昭恵氏が森友学園側に「口止めとも取れるメール」を送ったと主張したことに対して、自民党の西田昌司参院議員が両者のメールのやり取りを公開。政府は、これが「客観的な、ひとつの証拠」になるとして、反撃に転じたい考えだ。
安倍首相「きわめて、もう一度申し上げますが、きわめて遺憾」
籠池泰典理事長は2017年3月23日の参院予算委員会で行われた証人喚問で、妻の諄子氏に対して昭恵氏が
「ご夫妻が今、大変なことは想像がつきますが、主人にとっても大変なことに巻き込まれたということも理解いただきたいと思います」
「私が関わったということは、裏で何かあったのでは、と疑われないように」
といった内容の「口止めとも取れるメール」を送ったと主張し、
「どうしてなのか割り切れない思い」
などと安倍夫妻に対する恨み節をこぼしていた。
昭恵氏をめぐっては、森友学園をめぐる事件が発覚してからも学園側とメールのやり取りを続けるなど、親密な関係を疑問視する声も多い。
安倍首相は翌24日の参院予算委員会で、
「私の妻も、こうした約束(学園が運営する小学校への名誉校長就任)を引き受けるにおいては慎重でなければならなかったという趣旨のことは申していたが、しかし、メールの一部を使って『メールで口止めをした』と籠池氏がおっしゃっていることはきわめて、もう一度申し上げますが、きわめて遺憾」
と籠池氏側を批判。籠池氏が「口止めとも取れるメール」だと主張したメールについては、
「李下に冠を正さずという趣旨で返信したものであるということは明らかであり、悪意に満ちたものであるということは申し上げておきたい」
と反論した。