包装容器も完璧ではない
では、包装容器に入って密封されている食品はどうだろう。今回でも、クッキーが袋に入ったままなら問題はなかったのか。
「包装を確認しないと何とも言えませんが、それでもシンナークッキーになっていた可能性はあります」(前出のメーカー担当者)
2008年に日清食品のカップめんを食べた女性が吐き気を訴え、調査したところ衣類の防虫剤やトイレの防臭剤などに使われる「パラジクロロベンゼン」が検出されたことがあった。日清食品の調査研究や警察に捜査によって、密封されたカップめんでも防虫剤のそばに数時間置くだけでかなりの量が吸着されることを確認したという。
現在ではカップめんメーカー各社が容器に「移り香注意」と表示しており、容器の構造をより厚くするなど食品への吸着対策は進んでいる。ただ、ガラスや金属と異なりプラスチックやポリエチレンは目に見えない穴があり、完全な密封は難しい。
「もちろんメーカーは製造や保管に細心の注意を払い、消費者に届くまで少しでも安全性を高められるよう工夫しています。消費者も今回のようなリスクがあることを踏まえ、有機溶剤や防虫剤、消臭剤の近くに食品を放置、保管しないといった注意をしていただければと思います」