昭恵夫人の証人喚問求める野党
籠池氏は15時57分、枝野議員の質問に答える形で、「グッディ!」で放送された内容と全く同じ内容を読み上げた。ファクスの続きには(1)10年の定借の是非(2)50年の定借への変更の可能性(3)土壌汚染や埋設物の撤去移管に関する資料の扱い(4)工事費の立て替え払いの予算化について、といったことが書かれていたと説明。
「一般的には、工事終了時に精算払いが基本であるが、学校法人森友学園と国土交通省、航空局との調整にあたり予算措置がつき次第返金する旨の了解であると承知している。平成27年度予算での措置ができなかったため、平成28年度での予算措置を行う方向で調整中」
といった具体的な記述もあったという。ただ、籠池氏はファクスを受け取った日付を衆院では「11月15日」と説明。午前の参院での「11月17日」という説明とはずれている。
安倍首相は2月17日の衆院予算委員会で、仮に森友学園への国有地売却や小学校の認可に安倍夫妻が関与していたことが明らかになれば、
「総理大臣も国会議員も辞める」
と発言している。
今回の谷氏のファクスについて、野党などからは、籠池氏の証言が本当なら、こうした安倍首相の答弁に触れるとの見方が出始めている。
しかし、政府の説明は、籠池氏の説明と真っ向から対立している。菅義偉官房長官は3月23日夕方の会見で、今回のファクスの文面と、籠池氏から谷氏宛に送られてきたという、10月26日付けの消印入りの陳情書の封筒を公開。ファクスは昭恵氏への電話への回答ではなく、谷氏への書面に対する回答だという点を強調した。ファクスの内容についても
「財務省として国有財産に関する問い合わせに対する一般的な内容であり、籠池氏側から直接お問い合わせがあったとしても、添付のとおりお答えする内容であるというふうに報告を受けている」
などとして、あくまで一般論としての回答だったとした。また、谷氏が昭恵夫人に報告したと籠池氏に伝えていることについては、
「『こういう報告を出します』ということで、ある意味では事前に報告するのではないか。しないほうがおかしいのではないか」
などと話し、昭恵夫人に報告するのは当然だとの見方を示した。
枝野氏は喚問の中で、昭恵氏や谷氏について
「公開の場で、参考人なり証人という形で聞いていただかないとアンフェアだ」
とし、二人から国会で話を聞く必要があると主張した。これには、籠池氏も
「おっしゃるとおり」
と同調し、自らの発言に自信を見せていた。