高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
安倍首相夫人と「2人きり」はあり得るか 籠池発言に「随行」経験者の筆者の感想は...

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問題の本質は「官僚にあまりに大きな裁量」

   そもそも、今回のように寄付金をもらったという場合、挙証責任は受領者である籠池氏側にある。寄付金であれば、寄付名簿に記載し、領収書を発行する。これらがない限り、籠池氏は寄付金を立証できない。であれば、上のような発言をしただけで、偽証に問われるかもしれない。その場合、随行者の証言は重要な材料になるだろう。

   今回の問題の本質は何か。それは、官僚があまりに大きな裁量をもっていることだ。前回のコラム(3月9日配信)でも指摘したように、国有地売却を競争入札にしなかったのは、国会ではなく官僚が決めた「政令」によるもので、官僚の裁量が大きい。裁量が大きいから、籠池氏も頼みたくなるのだ。

   また、財務局の応接録も保存されていないが、これも財務省規則という官僚の決めたルールによるものだ。なぜ保存期間が短いのかというと、昔は資料の保存場所という理由があったが、今では電子書類なので、その言い訳はできない。結局、裁量が大きい官僚が責任逃れのために、文書の保存期間を短くしているとしか思えない。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわ ゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に 「さらば財務省!」(講談社)、「図解ピケティ入門」(あさ出版)、「『年金問題』は嘘ばかり」(PHP新書)など。


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