「眠れないから寝酒を」は禁物 薬に頼りすぎない不眠症治療を学ぶ

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眠るコンディションを整える「筋しかん法」

   最近の不眠治療では、「認知行動療法」を取り入れた内容が増えてきている。睡眠薬と同等の不眠症状の改善効果が得られ、すでに服薬している人も量が減らせたり、薬をやめやすくなったりする。現在日本では保険適用外だが、適用が検討されていて、今後ますます普及していくと考えられている。

   自宅でできる認知行動療法が「睡眠日誌」だ。

   寝床に入った時刻、眠りについた時刻、目が覚めた時刻、寝床から出た時刻、夜中に起きていた時間、昼寝をした時間の記録を毎日取る。1~2週間記録してグラフにすると、睡眠の問題点がわかる。

   ある患者は、毎日20時から21時に寝床に入っていたが、寝付く時刻は23時頃で、途中で目覚めてなかなか眠れない時間も多く、起床時刻が不規則になっていた。

   寝付きが悪いので、寝床に入る時刻を遅くしたほか、寝床に向かう直前に睡眠薬を服用するようにすると、寝付きの時間が短くなり、毎日大体同じ時刻に眠りに入るようになった。

   リラックス効果があり、眠りやすいコンディションを作る「筋しかん法」を寝る前に行うのもよい。

   背もたれのあるイスに浅く腰かけ、足の裏をぴったり床に付ける。足は肩幅に開く。イスがなければベッドに座ってもOKだ。

   まず両手をギュッと握って5秒間数え、一気に力を抜く。20秒ほど休み、今度は肩に力を入れていからせ手を握り5秒間、また一気に力を抜き、20秒休む。この動作を3セット繰り返す。パジャマに着替えてから寝室で行うとより効果的だ。

   寝付きをよくするために寝酒をたしなむ人も多そうだが、実は逆効果だ。毎日寝酒しているとだんだん効果が弱まり酒量が増え、深い眠りの時間が減ってしまう。夜の飲酒は「寝るため」と考えないほうがよい。

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