西原医師「石原氏は『失書』の状態ではないかと思います」
西原医師は「石原氏は『左腕は動かない』としつつも、完全にマヒした状態ではなく多少は動かせるように見えました」として、こうした症状から
「石原氏は『失書(しっしょ)』の状態ではないかと思います」
と推測した。文字を書いた際に誤字や脱字が目立ったり、ひどくなると文字が書けずデタラメな筆記になったりする状態だという。仮にその場合「筆記はできなくても、ワープロで打つことはできますし、会話もできます。これも失書の特徴です」と話す。
「失書」の可能性は、左利きである石原氏の脳梗塞の患部が「右側の頭頂部」だったことからも推測できると西原医師は言う。左利きの人は脳の右側に言語を司る部位がある場合が多いとし、そこに疾患が生じたことから「失書」になったと説明も可能だという。
一方で、記憶がなくなるという点については「脳梗塞の影響かどうかは分かりません」という。西原医師によれば、もし海馬のすべてが機能しなくなっていたらそもそも話すこと自体できなくなるが、石原氏については会話や質疑応答は大きな問題なくできていた。西原医師は「脳梗塞が原因で、まだらに記憶が飛ぶかどうかは、はっきりと言いきれない部分がある」と指摘した。
西原医師は「石原氏を直接診察していないので、すべて推測ではあります。ただ、百条委員会の証人喚問や、(3月3日に日本記者クラブで開いた)会見の様子を見る限り、こういった可能性は考えられます」と話していた。