夜10時の大阪駅ホームに写真撮影好きな鉄道ファン、いわゆる「撮り鉄」が押しかけ、騒然となった。彼らのお目当ては、団体臨時列車「サロンカーなにわ」。
ホームからあふれそうになる撮り鉄に駅員が厳しく注意する場面もあった。ネットで「罵声大会」とも言われたこの一件、JR西日本はどう受け止めているのか。
線路に身を乗り出してパシャパシャ
サロンカーなにわは今回、日本旅行の企画した山陰旅行プランに駆り出された。2017年3月18日に大阪駅を出発。夜のうちに福知山線と山陰本線を経由して米子駅に向かい、20日に大阪駅へ戻る行程だ。
宴会コーナーやサロンを車内に備えたサロンカーなにわは、見た目、内装ともに特殊なつくりをしている。それだけに、撮り鉄の熱い視線を浴びてきた。
今回は、牽引車も「DD51 1191」という普段お目にかかれないディーゼル機関車。サロンカーと牽引車の「豪華2本立て」に惹かれた大勢の撮り鉄が、大挙して大阪駅に押し寄せた。
「はい、前に出ない!」「はい、下がる!」「走らない!」――。18日22時、出発時のサロンカーなにわを一目見ようと集まった撮り鉄に駅員が注意する。心なしか、声のトーンはいつもより強い。ツイッターやYouTubeにその様子をとらえた動画が投稿されている。 当時、どこからともなく集まった撮り鉄でホームは埋め尽くされていた。少しでもいい撮影場所を確保しようと、黄色い点字ブロックを越える人も続出していた。
そして、サロンカーなにわの入線時、にわかに大勢の撮り鉄が身を乗り出し、カメラを構えだした。背後から少し押されただけであっさり線路に落ちてしまいそうな位置取り。大混雑するホームの上では、間違いなく危険な行為と言えるだろう。
言うことを聞かない撮り鉄に業を煮やしたのか、駅員の注意は「怒声」へと変わった。